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熊本地震

高速またぐ橋、6本被害 耐震強化、通用せず

地震で九州自動車道に落ちた橋=熊本県甲佐町で2016年4月17日午後3時55分、本社ヘリから矢頭智剛撮影

 高速道路をまたいで架かる「架道橋」が、熊本地震によって計6本被害を受け、使えなくなっていることが、熊本県などへの取材で分かった。うち3本は大破し、撤去した。高速道など主要道路の上に架かる架道橋は損壊すると影響が大きいため、国が一般道よりも厳しい耐震基準を定めたり自治体などが緊急点検をしたりしてきたが被害を防げなかった。4月16日未明、九州道の上に崩落した橋もあり、通行止めでなければ走行中の車が巻き込まれ大惨事につながる可能性も高かった。専門家は現行基準の不備を指摘している。

 熊本県や西日本高速道路などによると、熊本地震で架道橋に被害が確認された高速道は九州道だけ。同県内に94本ある架道橋のうち、熊本(熊本市)−松橋(まつばせ)(宇城(うき)市)の両インターチェンジ間の6本に異常が見つかった。このうち県管理の橋は2本で、同県甲佐(こうさ)町府領(ふりょう)にある「府領第一橋」(1974年建設)は4月16日未明、九州道の本線上に崩落し、撤去。宇城市の「一ツ橋側道橋」(2003年建設)も橋桁が水平方向にずれ、通行止めのままだ。熊本市にある2本の橋も被害があり、市管理の「神園(こうぞの)橋」(76年建設)は橋脚が傾き、「日向(ひむき)2号橋」(同)も歩道橋部分の橋脚にひびが入り、いずれも撤去された。

 95年の阪神大震災で橋の崩落が相次いだことを受け、国は96年、主要道路に架かる新設の橋について、阪神大震災と同規模の内陸直下型地震にも耐えられるよう基準を改定。被害のあった6本のうち一ツ橋側道橋は新基準に沿って建設された。既設の橋も自治体などに「優先的に補強するよう」要請し、府領第一橋、神園橋の2本は01年に工事をしていた。

 さらに会計検査院が13年、全国の約4分の1に当たる1183本の架道橋について点検不備などを指摘したため、国は緊急点検を要請。熊本県内の94本は緊急点検を受け「すぐ補修すべき異常はない」とされた。

 熊本県の担当者は「やるべきことはやっていた。震度7が2度来たのは想定外だった」と話し、国土交通省も「今回の6本がなぜ壊れたのか個別に調べ、対策が必要か考える」とする。しかし、今回は新基準に沿って建設された1本が被害を受けた。既設の橋も補強方法に明確な基準はなく、耐震化したはずの橋に被害が相次いだ。

 土木学会として調査した工学博士の松永昭吾氏は「高度成長期に造られた架道橋が老朽化し、耐震化が課題なのに現行基準の対象は新設の橋だけ。既設橋には明確な基準がなく、財政難から補強が完了していない事例も多い。早急に対策を進める必要がある」と話す。【平川昌範、前谷宏】

高速道路の架道橋と耐震基準

 高速道路の架道橋は、国土交通省によると、全国に5798本(2014年10月現在)。新設する場合の耐震基準は国交省が定め、1996年以降、阪神大震災クラスの地震でも「損傷が限定的で、橋としての機能の回復を速やかに行いうる」となっている。

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