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樹脂製車椅子導入 手荷物検査が容易に

ANAが導入した樹脂製の車いす。金属探知機に反応しないようになっているだけでなく、機内にスムーズに入れるように22インチの車輪が脱着できるようになっている=東京都大田区の羽田空港で、米田堅持撮影

 全日本空輸(ANA)は、4月から樹脂製の車椅子を羽田空港(東京都大田区)に導入した。車椅子メーカーの松永製作所(岐阜県養老町)と約3年かけて共同開発した力作だ。導入までの経緯を探ってみた。【米田堅持】

乗客の負担となったボディーチェック

 旅客機に搭乗する際、ハイジャックなどテロ防止の観点から手荷物検査が行われる。小銭入れや携帯電話など金属探知機に反応するものはX線検査機に通し、人間は金属探知機で反応がなければ検査を通過できる。

 しかし、車椅子で搭乗する乗客の場合は、車椅子が金属探知機に反応してしまうため、ボディーチェックが欠かせない。乗客に負担をかけるだけでなく、時間もかかっていた。金属探知機に反応しない竹製の車椅子を日本航空(JAL)が2010年から導入しているが、ANAは13年から松永製作所と開発していた。

強度と機能の両立に苦心

 松永製作所は「金属探知機が何に反応するのか確認することに苦労した」という。空港で使う車椅子は、機内にも入れるように大きい車輪の脱着ができなければならないなど、通常の車椅子にはない機能も必要となる。金属を使わずに日本工業規格(JIS)をクリアする強度と安全性、空港で必要な機能を両立することに苦心した。

 当初の試作機は、介助者が後ろから車椅子を押す棒状の部分が太く、実際に押した感覚も重量も金属製より重かったという。新たな金型の製作などでコストがかかったが、試行錯誤を重ね、3パターンの試作品で検査機を試して現在の形となった。樹脂製車椅子は、車軸部分が従来より5キロほど重いものの、使用感覚は従来のもの以上に仕上がった。

世界の空港で導入めざして

 ANAでは、1日約200人が車椅子を利用する羽田空港の国内線で64台を導入した。近年では、身障者だけでなく高齢者が車椅子を使うケースも増えている。乗客の車椅子は空港で手荷物として預かるので、空港で使う車椅子を金属探知機に反応しない樹脂製に置き換えることは、乗客だけでなく警備など空港関係者の負担を軽減することにもつながるという。今後2、3年かけて全国にある約500台の車椅子を樹脂製に置き換える予定だ。

 一方、松永製作所は、「ANAが加盟している航空連合のスターアライアンス加盟社にも使ってもらうことで世界に羽ばたいてくれたら」と期待を寄せている。

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