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米大統領広島へ 反対せず…「バターン死の行進」協会代表

インタビューに答える全米バターン・コレヒドール防衛兵記念協会代表のジャン・トンプソン代表=米バージニア州チェサピークで2016年4月22日、西田進一郎撮影

 第二次世界大戦中のフィリピン・バターン半島で米兵捕虜らが多数死亡した「バターン死の行進」の生存者や遺族らでつくる「全米バターン・コレヒドール防衛兵記念協会」のジャン・トンプソン代表(58)が、毎日新聞の取材に応じた。米国内で退役軍人らを中心にオバマ大統領の広島訪問に慎重論があるとされる中、トンプソン氏は「訪問には反対していない」と明言。一方で、日米両政府が歴史を直視する必要性を強調し、日本政府には元捕虜らにもっと手を差し伸べるよう希望した。【チェサピーク(米南部バージニア州)で西田進一郎】

    日米両政府「歴史直視を」

     ケリー米国務長官が今年4月に広島を訪問したのは、ちょうど1942年の「バターン死の行進」の記念週間だった。懸念していたことだが、ケリー長官は米兵捕虜たちのことについて何も言わなかった。そこで「死亡した米兵捕虜らに対する心のこもった追悼が日本でされるまでは、広島訪問を控えるように求める」との書簡をオバマ大統領に送った。

     大統領と安倍晋三首相が昨年、戦後70年を機に出した声明と談話は米兵捕虜について触れたが、多くの人は読んでいない。今回の大統領の広島訪問は、世界が注目している。広島に行くことは大統領の道義的な行動だと思う。しかし、大統領が元捕虜や退役軍人を含め、全ての犠牲者について語るのでなければ、訪問は不適切だ。

     我々は大統領の広島訪問に反対しているのではない。新たな謝罪を求めているのでもなく、戦争というものが双方にとって、どれほどひどいものなのかを全ての人に思い起こしてほしいのだ。大統領が未来を見据えていることは知っているが、過去に起きたことについて敬意を示し、深く知ることなしに未来を見ることはできない。

     原爆投下は戦争を終わらせる残酷な方法だった。しかし、私の父は捕虜で、フィリピンから送られ、旧満州(現中国東北部)に行き着いた。原爆投下は必要だったと信じているし、同時に戦争は非人道的なものだとも信じている。戦争になれば非人道的なことが起きるのだ。

     米国にも多くの暗い過去がある。誇ることのできない多くのことをしてきた。しかし、我々はそれを教え、(犠牲者を)追悼している。そうしたことが、安倍首相のような指導者には期待される。

     日本外務省が元捕虜らを日本に招いていることは非常に重要で、元捕虜や私たちのような元捕虜の子孫にとっては極めて成功した事業といえる。こうした事業で、日本は和解のモデルになり得る。元捕虜は高齢だが、和解には世代を超えた取り組みが必要だ。安倍首相にはさらに多くの元捕虜らに手を差し伸べてほしい。

    ◇バターン死の行進◇

     太平洋戦争の初期、フィリピン・ルソン島のバターン半島と近くのコレヒドール島で日本軍と、米国、フィリピン軍との激しい戦闘の末、バターン半島の米・比軍が1942年4月に降伏。捕虜となった米兵約1万人と比兵約6万人が、半島北方の収容所まで数十〜100キロ程度を歩かされ、飢えやマラリア、日本兵の暴行などで多数死亡した。

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