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本村凌二・評 『エセー 7 全七分冊完結』=ミシェル・ド・モンテーニュ著

 (白水社・2592円)

ずっしりと胸に響く最晩年の想念

 日本人には「心に映り行くよしなしごと」をつづる『徒然草』の伝統があり、そのせいか、出家した吉田兼好とともに、世俗的なモンテーニュに思い当たる。

 フランス語原著では全三巻、この邦訳版では全七分冊になる古典の最終分冊が完結した。ギリシャ・ローマの古典を自家薬籠(やくろう)中のものにして自己流の独特な文章を読むのはそうとう難行らしい。だが、訳者には「とにかく日本語で気軽に読んでほしい」という願いがあり、それが成功しているのだから偉業である。

 十六世紀後半、四〇歳にもならないころから、モンテーニュ村の屋敷に隠遁(いんとん)して、領地を管理し…

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