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国の管理外の暗号通貨「ビットコイン」の仕組み

まつもとあつし・ジャーナリスト

 個々人がインターネット上でつながるようになれば、モノや情報だけでなく、お金もやり取りしたくなるのは自然なことでしょう。現在、ネット上でお金を扱うフィンテック(Fintech)技術が著しく発展し、さまざまな仕組みが試されています。

 前回、スマートフォン向け無料通話・チャットアプリのLINEが展開するネット決済サービス「LINE Pay(ライン ペイ)」に触れました。口座情報がわからなくても、個人間送金を手数料無料で手軽に行える合理的な仕組みです。しかし筆者は、LINE Payのアカウント(口座)に銀行口座からお金を自動的に入金する「オートチャージ」のひも付けに手間取りました。

 大手都市銀行のネット口座の認証が非常に複雑だからです。認証を行う時点で、通帳に印字された残高金額(実際の残高ではありません)を確認する必要があるなど、一般的なネットサービスの手続きに比べて煩雑だったのです。LINE Payが洗練された仕組みを備える一方、実際にお金を送金したり、チャージ(入金)したりするための手続きはレガシーな(古くさい)ものだと感じざるをえませんでした。

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ジャーナリスト

ITベンチャー、出版社、広告代理店、映像会社などを経て、現職。ASCII.jp、ITmedia、ダ・ヴィンチなどに寄稿。著書に「知的生産の技術とセンス」(マイナビ/@mehoriとの共著)、「ソーシャルゲームのすごい仕組み」(アスキー新書)など。取材・執筆と並行して東京大学大学院博士課程でコンテンツやメディアの学際研究を進めている。