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おきゃくトーク

熊本地震発生直後から現地に入った高知大教授・原忠さん /高知

熊本地震発生直後から現地に入った高知大教授の原忠さん=柴山雄太撮影

住民の自主的行動が重要 原忠さん(41)

 発生から1カ月が経過した熊本地震。発生直後から現地調査に入った高知大の原忠教授(41)に現地の状況や、県内で生かすべき教訓を聞いた。【聞き手・柴山雄太】

     −−いつから被災地に入りましたか。

     ◆4月15日夜に福岡県へ入り、16日未明の本震は福岡で遭遇しました。翌朝から調査に入り、ニュースで「ため池が決壊」と伝えていた西原村に向かいました。村に着くと、道路は通行できない状況で、村内に入れません。地元の人と一緒に落石を片付け、ため池に向かいました。

     −−ため池の状況は。

     ◆ため池のダム本体は決壊していませんでしたが、水位を低下させるための放流装置が壊れて、大量の水が流れ出していました。ダム本体以外にも耐震対策が重要だと痛感しました。

     −−液状化の被害も深刻だったのですか。

     ◆そうです。西原村に続いて益城町へ向かいましたが、道路に下水管を埋めた所が一直線に割れて、沈んでいました。マンホールが浮き上がり、車が通れないような所もありました。

     −−高知であれば津波避難に支障が出ますね。

     ◆はい。下水道の普及率は上がっているので、インフラが整えばより問題になります。高知では津波避難の意識は高いですが「道路が壊れ、逃げられない」事態はあまり想定されていません。

     −−高知でも同様の被害は起きるのでしょうか。

     ◆液状化は川の多い熊本市南区でも深刻でした。高知市は元々、川が多く、河内と言いました。軟弱な地盤なんです。平野に住む以上は、液状化のリスクがあると考えるべきです。

     −−他に熊本地震から教訓にすべきことは。

     ◆まず、避難場所や官公庁は、絶対に壊れてはいけないということですね。市役所が壊れた宇土市は、指揮系統が混乱し、罹災(りさい)証明書も発行できませんでした。避難場所の体育館でも、天井板が落ちて使えない場所がありました。もう一つは自主防災組織や自治会の重要性です。益城町の避難所は、当初混乱状態でした。ところが5月6日に再度訪れると、同じ町内でも混乱している避難所と、落ち着いた避難所との違いが顕著でした。行政が全てを管理できるわけでは無いので、住民の自主的な行動が重要になります。また、落ち着いた避難所の人たちは生活再建も早く進みます。一人一人が災害に対応できる力を備えることが重要です。


     ■人物略歴

    はら・ただし

     1974年長野県生まれ。中央大院を修了後、建設コンサルタント、和歌山高専准教授などを経て現職。専門は地盤工学。県や国の委員を多数務め、国内外の地震調査に携わっている。

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