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伊勢志摩サミット 世界経済、下方リスク…首脳宣言を採択

G7サミット・ワーキングセッションに臨む安倍首相(手前左)、オバマ米大統領(同右)ら=三重県志摩市で2016年5月27日午前9時18分(代表撮影)

財政出動「機動的に」

 三重県で開かれている主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)は27日、世界経済の安定化やテロ対策に関するG7の結束を盛り込んだ首脳宣言を採択した。焦点となった世界経済については「下方リスクが高まっており、新たな危機に陥ることを回避する」と強調。財政と金融、構造改革の三つの政策手段を総動員するG7版「三本の矢」で協調し、世界経済をけん引することを目指した「伊勢志摩経済イニシアチブ」を盛り込んだ。

 首脳宣言は世界経済の認識を巡り「経済の回復は続いているが、成長は緩やかでばらつきがある」と分析。6月に英国で行われる欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が近づいていることなどを指摘し、「新たな危機に陥ることを回避するため、全ての政策対応を行う」と表明した。

 安倍晋三首相は26日、経済指標の「リーマン・ショック並みの悪化」に言及したが、首脳宣言で直接触れることはなかった。

 また、財政出動を含む政策対応について、経済成長や雇用創出を目指し、「財政戦略を機動的に実施し、構造改革を果断に進める重要性」で合意。ただ、財政出動に慎重なドイツなどの意向を踏まえ、時期や規模を含む具体的な取り組みは「各国の状況に配慮する」とした。首相が意欲を示した財政出動の一斉実施では、足並みをそろえられなかった格好だ。

 政治外交分野では、東シナ海や中国による岩礁埋め立てが進む南シナ海に関し、名指しは避けつつも「紛争の平和的管理及び解決の根本的な重要性を強調する」と懸念を表明。1月に核実験を行った北朝鮮を「最も強い表現で非難」するとした。核兵器の不拡散と軍縮がG7の最優先事項の一つと再確認した。

 欧州が直面するテロ問題では「国際秩序や全人類に共通する価値・原則への深刻な脅威」との危機感を明記。外国人テロ戦闘員やテロ関連物資の流入を防止する協力を確認した。

 難民問題に関しては、多くが中東やアフリカから南欧などを経由してドイツなどに流入しており、出身地域や通過国への開発協力を強化する考えを盛り込んだ。ウクライナ問題ではロシア・ウクライナ双方に停戦合意(ミンスク合意)の履行を求める一方、ロシアとの対話維持の重要性も盛り込んだ。欧米が続ける対露制裁は、ミンスク合意の履行に伴い「後退され得る」とし、ロシアの前向きな対応を促した。

 為替政策では、通貨の競争的な切り下げを回避するほか、「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響を与える」との従来方針を明記。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の早期発効を参加各国に要請した。鉄鋼の供給過剰問題では、中国を念頭に政府などの支援措置が行われていることへの懸念を表明した。

 このほか、テロ及び暴力的過激主義対策に関する行動計画▽腐敗と戦うための行動▽サイバーに関する原則と行動▽質の高いインフラ投資の推進のための原則▽国際保健のためのビジョン▽女性の能力開花のための行動指針−−の6付属文書も採択した。

 伊勢志摩サミットは27日、アジア・アフリカ7カ国首脳らを交えた拡大会合を開き、同日午後に閉幕する。

 同日午前のG7最後の討論で、来年の議長国イタリアのレンツィ首相が、同国南部シチリアでの次期サミット開催を正式に表明した。【小倉祥徳、田所柳子】

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