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明日を見つめて

生きる・小児がん征圧キャンペーン20周年/2 療養中の学習支援を

インターネットを使って遠隔授業をする教諭=四街道特別支援学校で、喜屋武真之介撮影

 「調子はどう」。小児がんの一種の「急性リンパ性白血病」で成田赤十字病院(千葉県成田市)に入院している坂口花香(はなか)さん(18)を県立四街道特別支援学校(四街道市)の教諭が訪ねたのは昨年11月。坂口さんが、通っていた県立高校からこの学校に転籍して間もないころだった。

     「みんな卒業するのに、自分だけ取り残されてるみたい」。不安をのぞかせる坂口さんを教師は励ました。「卒業に必要な単位は大丈夫。心配しなくていいよ」

     四街道特別支援学校では、病気で入院している高校生のために、教諭が病院を訪れ、学習指導を行っている。坂口さんは入院後に県立高校から学籍を移し、国語、英語、数学の授業を病院で受けた。単位の取得が認められ、この春、元の高校の卒業証書を受け取ることができた。「勉強もそうだけど、病院で先生に話を聞いてもらえたのがうれしかった」

     だが、入院中に学習指導を受けることができる生徒は多くない。文部科学省は2013年度、入院のため30日以上、学校を休んだ生徒への対応について全国調査した。高校で対象となった生徒は951校の1124人。調査の結果、学習指導をしていない生徒は684校の771人で、約7割を占めた。

     国立特別支援教育総合研究所(神奈川県横須賀市)に3月まで勤めた日下(くさか)奈緒美・千葉県立松戸特別支援学校教頭(51)によると、入院した高校生の指導のおもな受け皿になるのは、「病弱」と区分される生徒を専門に受け入れ、高等部を持つ特別支援学校だ。これにあてはまる学校は全国に38校しかない。小児がんなどで入院する生徒の、教育面での支援の充実化が求められている。

     その試みの一つとして、四街道特別支援学校はインターネットを使った「遠隔授業」を13年度から始めた。病院や自宅で療養している生徒と、学校にいる教師をネットで結び、テレビ電話のような形で授業を行う。

     15年度に同校は、遠隔授業の研究校として文科省の指定を受けた。「遠隔も対面授業と同じ効果があると示せれば、拡大に道が開ける。100キロ離れて訪問ができない生徒も、教えたり、生きる意欲を支えたりできる」。同校の日暮(ひぐらし)和弘校長(58)は意気込みをみせる。【林田七恵】=つづく

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