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ヘイトデモ

接近禁止の仮処分決定 横浜地裁支部

ヘイトスピーチデモを禁じる仮処分が決まったことを受け、会見で涙をぬぐう被害者の崔江以子さん(中央)=川崎市川崎区で2016年6月2日午後3時55分、後藤由耶撮影

 川崎市の社会福祉法人が、在日コリアンの排斥を訴えるヘイトスピーチデモを主催する男性のデモを禁止するよう求めた仮処分で、横浜地裁川崎支部は2日、同法人の事務所から半径500メートル以内でのデモを禁止する決定を出した。

     橋本英史裁判長は、5月に成立したばかりのヘイトスピーチ対策法に言及し、ヘイトデモを「人格権に対する違法な侵害行為に当たる」と認定。さらに、その違法性が顕著であれば「憲法が定める集会や表現の自由の保障の範囲外」とも指摘した。法人側の神原元弁護士は「ヘイトスピーチ法を根拠に違法とした画期的かつ歴史的な判断」と評価した。

     ヘイトスピーチを行う個人や団体に行為の禁止を認める仮処分決定は、京都地裁が「在日特権を許さない市民の会」(在特会)などに対し、京都朝鮮第一初級学校(京都市)近くでの演説禁止などを命じた決定(2010年)に続き、2例目とみられる。

     仮処分を申し立てていた社会福祉法人は、川崎市内の在日コリアンらの支援団体。男性は過去にも同法人事務所の周辺でデモを行っており、今月5日にも市内で実施するとインターネット上で予告したことから、仮処分を申し立てた。

     決定は、過去の男性の差別的言動を「法人の活動内容を真っ向から否定するもので、存立基盤を揺るがす」と認定し、ヘイトスピーチの程度が顕著な場合は事前の差し止めも認められるとした。その上で、街宣車やスピーカーの使用だけでなく、大声を張り上げる行為や第三者に行わせることも禁じた。期限は区切らなかった。

     男性は5日の集会に向けて、市内2カ所の公園利用を市に申請していたが、市は5月末に不許可とした。神奈川県警などによると、男性は1日、当初の予定とは別の場所で警察署に道路使用許可を申請した。10〜50人が参加見込みで、集会は行わないという。

     決定後、法人職員で在日コリアン3世の崔江以子(チェカンイジャ)さん(42)は記者会見し「ヘイトスピーチは根絶できることを地元の子供たちに示せたのがうれしい」と語った。【太田圭介】

        ◇

     ヘイトスピーチ対策法は3日、施行されることになった。岩城光英法相は2日の閣議後記者会見で「法の趣旨に沿った取り組みをしっかりと推進していく」と述べた。【鈴木一生】

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