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熊本地震

自治体職員うつ状態も 心のケア対策始まる

日本赤十字社こころのケアチームが開設したリラクゼーションルームでスタッフ(左手前)からマッサージを受ける益城町の男性職員。窓からは被災した町並みが見える=熊本県益城町で2016年6月6日、宮間俊樹撮影

 熊本地震で大きな被害を受けた熊本県内の15市町村と熊本県のうち、半数にあたる8自治体が職員を対象にした心のケア対策を始めていることが毎日新聞のまとめで分かった。職員を対象に健康状態を調べた熊本市では、うつ状態になりかねない職員が半数を超えている部署もあり、産業医との面談が始まっている。地震発生から間もなく2カ月を迎え、各自治体は職員の健康維持に懸命だ。

     4〜6日、15自治体と熊本県に取材した。このうち熊本市は5月末までに、教員と病院職員を除く全職員約1万人を対象に健康状態に関する調査をした。「いらいらしていないか」「揺れに敏感になったか」など12項目を選択式で尋ねるもので、まだ全体の集計は終わっていないが、「うつ状態に陥りかねない」とされる人数が半数を超える部署もあり、既に該当者と産業医との面談が始まっている。自由記述欄には「勤務が連続しており被災した自宅に住む家族をケアできない」「睡眠時間が足りない」などの記載が目立つという。

     熊本県でも毎年春に実施するアンケートに今回、「集中力が低下したか」「アルコールの摂取量が増えたか」など地震後の変調に関する5項目の質問を追加した。県、熊本市によると、いずれも休日返上の勤務が常態化しており、「長期的な被災者支援のためにも、職員の心身の状態を把握する必要がある」(県総務事務センター)としている。

     阿蘇市は5月末、管理職を対象に部下への接し方などを学ぶ研修会を開いた。講師の医師は「部下の行動を観察し、普段と違うところに本人より先に気づき、教えてあげることが大切」と述べた。西原村は日本赤十字社と協力して、職員とカウンセラーとの面談を始めている。

     ユニークな取り組みもある。震度7の揺れに2度襲われた益城(ましき)町の役場3階には先月8日、リフレッシュルーム(休憩室)が設置された。看護師らが職員の腕や背中をマッサージしたり、話し相手になったりして、緊張を解きほぐしている。

     「体が軽くなり、気分もリフレッシュできた」。男性職員(27)は、約15分のマッサージを終えると笑顔を見せた。日赤奈良県支部から派遣されている看護師、松本淳子さん(61)は「ストレスや疲れもたまっていると思うので、少しでも発散してもらえれば」と話した。

     一方、「面談などが必要だと考えているが、地震対応で時間が取れない」(宇土(うと)市)との回答もあった。東日本大震災でも職員の心の健康問題が表面化しており、対応が急がれる。【神崎修一、野呂賢治、中里顕】

    各自治体は対応を急ぐべき

     心のケアに詳しい筑波大の高橋祥友教授(災害精神支援学)の話 自治体職員は避難所などで被災者と直接面談する一方、自らも避難生活を送るケースもある。心身ともにハードで、ケアが必要だ。過去の災害では、専門家を配置した常設のカウンセリングルームが有効だったこともある。各自治体は対応を急ぐべきだ。

     ■各自治体の主な心のケア

    熊本県、熊本市

        職員の健康状態を調査

    菊池市 相談窓口を設置

    阿蘇市 管理職向けの研修会

    嘉島(かしま)町 メンタルケアの説明会

    御船(みふね)町 職員の健康状態を調査

    益城町 専門家による面談。役場に休憩室

    西原村 専門家による面談

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