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「研究は国民に支えられ…日本にちなんだ」

新元素の名称案の発表から一夜明け、会見する理化学研究所の森田浩介・グループディレクター=埼玉県和光市で2016年6月9日午前11時4分、猪飼健史撮影

理研、森田さん会見「命名できて国民に恩返しできた」

 原子番号113番の新元素を合成し、「ニホニウム」との命名案を公表した理化学研究所チームの森田浩介グループディレクター(59)らが9日午前、埼玉県和光市の同研究所で記者会見した。「研究が国民に支えられていることを表すため日本にちなんだ」と命名理由を説明。「(命名できて)国民に恩返しできた」と喜びをかみしめた。一方、「新元素発見の歴史は原子力開発と不可分。そのルーツを忘れてはいけない」と自らを戒めることも忘れなかった。

 森田さんは「現在の動機は純粋な科学的興味に移った」と述べつつ、「人工元素で最も作られたのは原爆や原発に使うプルトニウムだ。『強力な原爆を作る』という思いから新元素発見競争がなされた時代もあった」と指摘した。

 2003年に始めた今回の合成実験で、11年の東京電力福島第1原発事故の影響から電力使用が制限される中、同研究所はチームに電力を優先的に融通するなどして力を入れてきた。実験成功を確実にする3個目の合成はその後の12年8月だった。このため森田さんは、同9月に発表した論文に「東日本大震災と原発事故の被災者にささげる」と記したことも明かした。

 会見に先立ち、同研究所を視察した馳浩文部科学相を案内。「次の目標は119番、120番元素の合成。(実験施設である)加速器の増強に約40億円かかる」と国の支援を求めた。【阿部周一】

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