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ネガワット取引

節電電力を売買、来年4月に市場創設

 家庭や企業が節約した電力量を売買できる「ネガワット取引」の普及に向けて、政府は来年4月の市場開設の準備を進めている。夏場などで電力需給が逼迫(ひっぱく)した際などに、節電によって需要を抑え、電力の安定的な供給を確保するのが狙いだ。【宮川裕章、秋本裕子】

     電力の需要は季節や時間によって大きく変動するため、発電量を増やしたり、減らしたりして需給を調整する必要がある。しかし、一時的に需給が逼迫した場合などは、火力発電所をフル稼働させて供給量を増やすなどして対応する必要があり、コストも高いため、需要量をいかに抑えるかが課題となる。

     ネガワット取引は、需要抑制策の手法の一つ。家庭や企業、工場などの電力消費者が、仲介役のネガワット事業者と契約を締結。需給が逼迫した際などに電力会社の要請に応じて節電をすることで、報奨金が支払われる仕組みとなっている。

     これまでは電力会社が工場などの大口需要者と個別に「需給調整契約」を結び、需給が逼迫した際の節電を条件に料金を割り引くなどの需要抑制策があった。ネガワット取引では家庭を含め幅広い電力消費者を対象とし、節電分の電気代が浮くことに加え、報奨金支払いで確実に節電効果を上げる狙いがある。電力会社が発電所建設などの投資を削減できる効果も見込まれる。

     政府は、ネガワット事業者が各家庭が節約した分の電力を、他の電力小売事業者などと取引できる市場の創設を目指している。取引ルールの策定などの準備を進めており、7月中にも市場の開設計画の概要を発表する。

     家庭や企業がどれだけ電気を節約したのかを算出するためには、節電しなかった場合の電力利用量を基準にする必要があり、どのように利用量を設定するかなどが課題となる。個人情報を扱うことになるため、漏えい防止などの対策も求められそうだ。

    ◇ネガワット取引◇

     夏場など電力需要が多い時に電気事業者(電力会社や新電力)からの要請に応じて需要家(企業や一般家庭)が節電に協力し、電気の使用量を削減した分の報奨金を得られる仕組み。

     電力量(ワット)の削減(ネガティブ)という意味から名付けられた。

     節電分を売却した需要家にとっては報奨金を得られて電気料金も節約できる。電気事業者には需給改善につなげられるメリットがある。

     電力消費を抑制することで需給を調整することは「デマンドレスポンス」と呼ばれており、欧米では1990年代から提唱されてきた。日本では東日本大震災後の電力不足に対応し、関西電力が2012年に大手電力で初めて実施した。

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