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陸上

桐生2度目の10秒01…「最速と言われたい」

男子100メートル準決勝で記録した10秒01の掲示板の前でポーズをとる東洋大の桐生=神奈川県平塚市のShonanBMWスタジアム平塚で2016年6月11日、山本晋撮影

 陸上の日本学生個人選手権第2日は11日、神奈川県平塚市のShonan BMWスタジアム平塚などであり、男子100メートル準決勝で、桐生祥秀(東洋大)が自身の持つ日本歴代2位タイの10秒01(追い風1.8メートル)を出した。自己記録に並んだのは京都・洛南高3年だった2013年4月の織田幹雄記念国際大会以来、3年ぶり。決勝は10秒10(向かい風0.3メートル)で優勝。日本記録は、伊東浩司(現日本陸上競技連盟強化副委員長)が1998年のバンコク・アジア大会で樹立した10秒00。

     桐生は、男子100メートルで初めてリオデジャネイロ五輪の代表派遣設定記録(10秒01)に届いた。他選手が派遣設定記録を破らなければ、24〜26日に愛知で行われる日本選手権で8位入賞すれば五輪代表に内定する。

    負けず嫌いに火がつく

     夕闇が迫った競技場は決勝を前に異様な雰囲気に包まれた。桐生が準決勝で3年ぶりに自己タイ記録をマーク。日本人初の9秒台に向けた期待が高まったが、それまで2メートル前後吹き続けた追い風が無情にも一転して向かい風に変わった。そして桐生自身もスタートから数歩で少しつまずいた。「うれしさが50、悔しさが50の半々ぐらい」。快挙達成をまたも持ち越した桐生はそう振り返った。

     準決勝は観客をどよめかせた。追い風に助けられた面はあったにせよ、高速のピッチを刻んでぐいぐいと引き離す独壇場。最初の「10秒02」の表示に頭を抱える仕草も見せたが、正式タイムが出ると拳を握りしめた。

     ここ数年は9秒台の壁が厚く感じられていたが、転機は約1週間前だった。5日の布勢スプリントでライバルの山県亮太(セイコーホールディングス)に惜敗。桐生は「久々に悔しかった。日本最速は自分だと競技をやっているうちは言われたい」と、人一倍の負けず嫌いに火がついた。

     練習の集中力も一層増して、この約1週間は、中盤以降に体が反り返って風の抵抗を受けやすかったフォームを修正した。レースに向けた調整もせず、ほぼ休みなしで体を動かした。その成果が本番でいきなり出た。

     「3年前は記録が出てしまったと思われることが多いが、今回は出て当然」と言い切った桐生。リオデジャネイロ五輪を前に確かな手応えを得て、9秒台が再び現実味を帯びてきた。【新井隆一】

    抜かれて「楽になりたい」…日本記録更新に期待

     ○…男子100メートルで10秒00の日本記録を持つ伊東浩司・日本陸上競技連盟強化副委員長は、桐生の走りについて「ゴール前も余力があった」と評価。決勝だけは向かい風になり「風が変わると走り方も変わる。追い風ならば、結果が出たと思う」と振り返った。5日の布勢スプリントから2週連続の10秒0台。「アベレージが上がっていけば、自己記録は必然的に高い次元になる。日本選手権が楽しみ。桐生自身も、私も楽になりたい」と日本記録更新に期待を寄せた。

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