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前向ける仕組みを 「遠野まごころネット」臼澤良一理事長に聞く /岩手

 熊本地震の発生から14日で2カ月がたったが、避難者は今も約6400人もいて、余震の恐怖から車やビニールハウスなどで寝泊まりする人も多い。東日本大震災の「恩返し」と、発生直後から現地で支援活動を続けるNPO法人「遠野まごころネット」の臼澤良一理事長(67)は「被災者が前を向ける仕組みが必要」と話す。現状と課題を尋ねた。【聞き手・中尾卓英】

    熊本地震 被災者支援

    −−熊本での支援活動は。

     ◆熊本県菊池市の江頭実市長らの協力で5月末、市内の宿泊施設にボランティアのベースキャンプを設けた。そこで、県内外を問わず1日10〜20人のボランティアを受け入れ、菊池市だけでなく阿蘇市や西原村、南阿蘇村、益城(ましき)町などへ派遣する「遠野方式」(震災時に内陸の遠野を拠点に、沿岸部を支援した方法)で活動をしている。

     被災者が求める支援とボランティアをつなぐため、菊池市と市社会福祉協議会やNPO、学校、企業と連携した「菊池市災害支援ネットワーク」という体制を整えた。

    −−被災状況と求められる支援とは。

     ◆4月に救援物資を届けた西原村や益城町などを、6月初めに再び訪れた。

     菊池市旭志地区の300世帯で調査をした。隣は住むことができるのに、自宅に応急危険度判定で「赤紙」(危険)を張られ、片付けもできないまま納屋で暮らしている一人暮らしのお年寄りに出会った。海沿いの街のほぼ全域が壊滅した震災とは、異なる被災の格差を感じた。

     益城町で車中泊を続ける人たちに飲料水を届けると「(仮設住宅の入居が始まったが)家財道具はもらえるの」「罹災(りさい)証明書が発行されると、住宅再建にどんな支援が受けられるの」など次々と質問された。一人一人の声に耳を傾け、震災の経験を伝えながら前を向ける仕組み作りの大切さを痛感している。

    −−今後の活動は。

     ◆(被災者の求める支援が多様化して)まだら模様となっている被災者のニーズの把握や仮設に入居後のコミュニティー作り、行政の支援窓口の明確化などが課題だ。

     震災では、大槌町の避難所や仮設近くに、お年寄りや子連れの母親がお茶を飲みながら悩みや生活設計を語れるサロン「まごころ広場」を設けた。そこでは、行政書士ら専門家による法律や住宅再建の相談などもできる。被災者が足元を見つめ、次は何をすべきか考える居場所作りをしたい。震災の経験を伝えたい、支援をしたいという人は、活動に参加してほしい。


    大槌の自宅全壊、避難所世話役に

     臼澤さんの大槌町本町の自宅は、震災の津波で全壊したという。避難所の世話役を務める中、遠野で支援を始めた遠野まごころネットのメンバーと出会い、活動に加わる。菊池市災害ボランティアネットワークの問い合わせ先は(電話090・1713・7111)。

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