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今週の本棚

池澤夏樹・評 『渡辺京二』=三浦小太郎・著

 (言視舎・4104円)

氷の結晶中で身を震わせる「近代」「市民」

 我々は渡辺京二という思想家をずっと見落としてきた。

 『逝きし世の面影』によってようやくこの人を発見したのはいいが、読み誤って、江戸時代を偲(しの)ぶ懐旧主義者と見なしてしまった。

 本書は、彼の著書を丁寧に読むことを通じてその思想の形成過程を辿(たど)る優れた評伝である。

 渡辺京二は一九三〇年に「活動弁士の父とハイカラ女性の子供として」京都に生まれた。満州に渡り、敗戦後…

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