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「経験不足」実弾気づけず…「発注ミス原因」

訓練中の誤射について、再発防止策などについて説明する北部方面総監部広報室の岡欣司報道班長=札幌市中央区の陸上自衛隊札幌駐屯地で2016年6月20日午後3時10分、手塚耕一郎撮影

空包訓練で実弾

 北海道鹿追町の陸上自衛隊然別(しかりべつ)演習場であった誤射事故で、陸自は20日、「弾薬調達の担当者がパソコンシステムで入力を誤り、実弾を請求したことが主な原因」などとする調査結果を公表した。弾を受け取った時の確認不足や隊員の経験不足も重なり「ミスを防げなかった」としている。

 北部方面輸送隊所属の第310輸送中隊は5月23日午後3時半ごろ、物資輸送で移動中に敵襲を受けて応戦する場面を想定して訓練を実施した。空包を使用する予定だったが、実弾が使用され、隊員9人が実弾計79発を発射した。相手に狙いを定めて撃つのではなく、動きをけん制する射撃だったため、弾は当たらなかったという。空包用の銃口補助器具が実弾発射によって破損し、破片が当たったとみられる隊員2人が軽傷を負った。

 札幌市の陸自札幌駐屯地で記者会見した北部方面総監部広報室の岡欣司報道班長などによると、輸送隊の40代陸曹が弾を供給する業務隊に請求手続きをした際、実弾を使用した4月の訓練の書類を参照し、パソコンシステムに実弾を示す番号を誤って入力した。4月の書類を参照した理由について、陸曹は「業務に不慣れで、入力に自信がなかった」と説明しているという。

 実弾と空包は先端部の形状が異なっており、弾を受け取る際に確認しなければならない。だが、業務隊から弾を受け取った輸送隊と第310輸送中隊は弾の紙箱のふたを開け、弾の底部を見て個数を数えただけで、紙箱の品名も確認していなかった。

 更に、訓練に参加し、弾を受け取った計16人の隊員は主に車両操縦など輸送任務を行っており、戦闘訓練の経験が浅く、弾を扱う機会も少なかったことから、誰も実弾だと気付かなかったという。

 陸自警務隊は業務上過失傷害容疑を視野に捜査している。【袴田貴行、澤俊太郎】

再発防止へ検証委…防衛省

 調査結果を受けて陸自トップの岩田清文陸上幕僚長は20日、防衛省で記者会見し「合法的に武器を保有し、使用訓練を認められている組織の原点に立ち返り、武器や弾薬の管理、使用について隊員の意識改革を図る」と述べた。

 陸自の調査では、弾薬紛失への過剰な警戒心から実弾と空包の区別より弾数確認に集中していたことも原因の一つとされた。岩田陸幕長は「薬きょうを100%回収せよと命じてはいないが、回収の在り方について今後考えたい」と語り、回収の緩和を検討する考えを示した。

 防衛省は、海空自も含め武器弾薬の管理や使用の実態を把握するため、若宮健嗣副防衛相をトップとする再発防止等検証委員会を20日に設置。防衛監察本部の特別防衛監察も実施する。【町田徳丈】

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