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だじゃれ

記者がセミナーを体験

名刺交換をしながら相手の名前でだじゃれを作るワークショップを楽しむ鈴木英智佳さん(右端)と参加者=川崎市中原区新丸子東3の中原市民館で2016年6月12日午後4時2分、錦織祐一撮影

 だじゃれで職場を元気に明るく−−。「オヤジギャグ」「寒い」など、とかく見下されがちなだじゃれ。そのだじゃれを活用しようと基礎から応用まで全国各地で指導するのが一般社団法人「日本だじゃれ活用協会」(川崎市)だ。目指すのはコミュニケーションの「スキル」の確立。節目の30回目となる同協会のワークショップ「ダジャーレdeござ〜る!」が開催されると聞き、その「現場」を体験してみた。【錦織祐一/デジタル報道センター】

     「『ふとんがふっとんだ』。みんな知っています。だじゃれは手軽にすぐ作れ、しかも子供が大好き。最近ではデイケアでも活用しています。いいだじゃれはいい効果がある。そのことをまじめに考えている協会です」

     6月中旬、川崎市内。協会を運営する「ダジャレンジャー」6号を務める予備校職員、鈴木正太さん(38)が、参加した6人を前にそう切り出した。

     鈴木さんは、だじゃれが生み出す効用を(1)リラックスした雰囲気をもたらす(2)相手との距離を縮める(3)気持ちをポジティブにする(4)チームに一体感を生み出す(5)創造性を高める−−と紹介。「妻は、以前は一切聞いてくれなかった。それが最近、夕飯が早い時は『膳(善)は急げ』とドヤ顔で返すようになった。少なくとも我が家ではコミュニケーションを高める効果があったようです」。夫婦円満にも一役買っているようだ。

     だじゃれとはいえ、指導するからには知見や根拠は不可欠。同協会はこれまでにだじゃれを徹底的に分析している。その結果、

    (1)子音をずらす 例:「真田の棚田」

    (2)同音異義を使う 例:「石田の意志だ」

    記者(錦織)が日本だじゃれ活用協会から個人会員に認定されて手に入れた「だじゃらーの証」。「私」のだじゃれ付きだ=川崎市中原区新丸子東3の中原市民館で2016年6月12日午後1時58分、錦織祐一撮影

    (3)言葉を付ける、切り離す 例:「武田といただけだ」

    (4)英語化する 例「上杉はアップアップ」

    (5)音を使う(擬音、促音、濁音・半濁音など) 例「伊達だって……」

    の五つの「基本形」に大きく分かれることを突き止めた(例は大河ドラマファンの記者が作成)。

     そのノウハウを学んで、早速「だじゃれPK戦」で実践だ。3人ずつ2チームに分かれ、「ウシ」「ゴリラ」といったお題ごとに、だじゃれを出し合ってその数を競う。最後に、効果測定の「だじゃれテスト」。五つのお題に対し、5分以内にそれぞれ三つのだじゃれを作る。ワークショップ開始前にも受けたのだが、記者は9点にとどまった。だが、トレーニングの効果で終了時には、「夜でないと」「ツクシに尽くした」「お金があるのは丘ね」などの傑作(?)が次々と出て15点満点。受講した全6人の点数が上がった。

     午後からは、協会を2014年9月に設立した代表理事、鈴木英智佳(ひでちか)さん(40)が、一度受講した「上級者」を対象に「パート2」。

     12人を前に、だじゃれが「滑った」後のフォローなどに加え、午前に学んだ基本形などを念頭に、だじゃれをだじゃれで返して会話を広げるテクニックを指南。それらを駆使し、架空の名刺を交換して相手の名前でだじゃれを作ったり、グループに分かれて焼き肉店などを想定してメニューを生かしたりした、だじゃれの寸劇のワークショップで腕を磨いた。

     参加した高校講師の高田和典さん(33)は「だじゃれを作るのが上手になったと実感できた。だじゃれを言うことに対する心理的ハードルがどんどん下がり、それに伴って相手にもオープンマインドになりました」と満足そうだった。

     記者はこの日、晴れて協会認定の「だじゃらーの証」を手に入れた。……といっても今回参加したワークショップとは別に、協会のサイト(http://www.dajare-zukai.jp/)で、だじゃれが人の和を強める、などの「理念」を問う適性テストで認定されるものだが。それでも、ワークショップではだじゃれがコミュニケーションのツールとして役立ち、座がどんどん温まっていくのを実感した。その証しだと思っている。

          ◇      ◇      ◇      

     ワークショップは、人材育成コンサルタントの鈴木英智佳さんが中心となって13年8月に開始。取り組みが軌道に乗った14年9月、一般社団法人の協会を設立した。

     「もともと、場の空気を和ませるだじゃれが好きでした。これを研修などに活用できないかと考えました」

     知人と、だじゃれを出し合って徹底的に分析し、五つの基本形を発見。これを研修での知見として活用し、さらに研修を受けた後に「スキルが上がった」効果を測定する「だじゃれテスト」の手法を確立。法人化に先立つ13年8月に初のワークショップを開いた。

     評判はフェイスブックを中心としたSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で広まり、鈴木さんの出張などに合わせて大阪、広島など全国にワークショップは広まった。効果測定のテストでは、実に参加者の96%が点数が上がり「だじゃれが確実に上手になります」と鈴木英智佳さん。ワークショップの進行役を務められると認定された「だじゃれテラー」は6人に。

     大事なのは「愛、勇気、遊び心を持つことです」という鈴木英智佳さん。「『受けなかったらどうしよう』と恐れず、まずは勇気を持って口に出すこと。滑ってなんぼ。場を和ませることを意識しましょう」と話している。

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