前にこのコラムで井上ひさし氏が文章の本で「落ち葉を見てどう思いますか」というのは、大人でも無理な注文で、子どもには「落ち葉はどう落ちていくんですか」ということを書かせるべきだとおっしゃっていた旨、紹介した。「どう思うか」の感想ではなく、「どう見えているか」の観察文を、というわけだ。
そこでぼくは、無理強いすることなく、自然な流れで観察が感想へとつながらないだろうか。とくに物事の比較対照に重きを置く指導法だと期待が持てるかもしれないと、毎日小学生新聞主催の「親子で学ぶ作文教室」で実践してみた。
「新緑」という400字の作文を宿題に出し、例えば秋から冬にかけての落ち葉と比べたり、人間で例えれば…
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