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「袴田事件」

元被告の姉「早く再審を」…30日で50年

事件発生から半世紀を振り返る袴田秀子さん(中央)。左は小川秀世弁護士=静岡市の県庁で2016年6月29日午前11時53分、早川夏穂撮影

 静岡県清水市(現静岡市清水区)で1966年、みそ製造会社の専務ら一家4人が殺害された「袴田事件」の発生から、30日で50年を迎える。事件で死刑が確定した袴田巌(いわお)元被告(80)は2014年、静岡地裁の再審開始決定で釈放されたが、検察側が東京高裁に即時抗告し、審理が長引いている。袴田さんの姉秀子さん(83)が29日、静岡市内で記者会見し「巌が生きている間に無罪を勝ち取りたい」と述べ、一日も早い再審開始を訴えた。

     事件は66年6月30日未明に発生し、専務宅は全焼。母屋は事件後に再建され、家族で唯一生き残った専務の長女が暮らしていたが、2年前に亡くなり、家の周囲を草木が覆うように茂っていた。当時から近所に住む女性(84)は「(専務一家は)近所に差し入れをするなど評判も良く、誰かに恨まれるような家族じゃなかった」と振り返る。消防団員として消火活動にあたった男性(77)は「なぜ4人もの人が亡くなった大事件が今も解決しないのか」といらだちを見せた。

     当時の捜査に関わった関係者は「事件について何もしゃべりたくない」(県警捜査1課刑事だった男性)などと一様に口を閉ざす。県警のある現職幹部は「当時の捜査員が積み上げてきた証拠は無視できない」と話し、再審の行方を注視する。

     一方、即時抗告審は地裁決定の根拠の一つとなった弁護側のDNA鑑定の妥当性を確かめる再現実験の実施を決定。結果が出るのは早くても数カ月後の見込みで、再審開始までまだ時間がかかる。

     袴田さんは現在、浜松市で秀子さんと暮らすが、死刑囚として長期間拘置されたことによる拘禁症状は今も残り、周囲との会話はなかなかかみ合わないという。ただ、昨年5月ごろから1人で買い物に出かけたり、めいの娘に小遣いをあげたりしているといい、秀子さんは「表情が穏やかになった」とほほ笑んだ。【早川夏穂】

    ◇「袴田事件」◇

     静岡県清水市(現静岡市清水区)で1966年6月、みそ製造会社の専務宅が全焼し、焼け跡から一家4人の他殺体が見つかり、同社従業員だった袴田巌さんが強盗殺人容疑などで静岡県警に逮捕された。公判で無罪を主張したが、静岡地裁は68年に死刑を言い渡し、最高裁で80年に刑が確定した。弁護側による第2次再審請求で、静岡地裁は2014年3月、再審開始と死刑の執行停止、釈放を決定。検察側は即時抗告し、東京高裁で審理が続いている。

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