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バングラテロ

コーランで選別…暗唱できぬ人を襲う

事件現場を封鎖する治安当局者=ダッカで1日、AP

 【ダッカ金子淳】「ここから助け出してくれ!」「無事を祈っているよ」。バングラデシュの首都ダッカで1日(日本時間2日未明)起きた人質テロ事件で、人質になったバングラデシュ人の兄は、弟と約8時間にわたってメールで連絡を取り合った。悲痛な叫びを伝えてきた兄の安否を気遣う弟が、地元紙「デーリー・スター」の取材に応じた。脱出した人たちによると、人質は武装集団にイスラム教の聖典コーランを暗唱させられ、できない人が襲われたという。

 同紙によると、人質になったのは、現場の飲食店「ホーリー・アルチザン・ベーカリー」で働いていたサミール・バロイさん。弟のゴパルさんは、事件発生から約30分後の1日午後10時ごろ、携帯電話のメールで兄と連絡がついた。

 「僕とおいは無事だ。トイレの個室にいる」。兄からの連絡に弟はほっとし「みんな大丈夫だよ」と励ました。

 発生から4時間あまりたった2日午前1時45分、兄から切羽詰まったメールが来た。「壁を壊して助け出してくれ!」。しかし、家族は現場周辺に近づけずどうにもならない。

 「やつらは、兄さんがトイレにいることを知っているの?」。弟のメールに兄は「そうだ。やつらにトイレに閉じ込められているんだ」と説明した。「兄さん、元気?」「無事、元気に帰って来ることを祈っているよ」。弟はメールを送り続けた。

 午前5時48分。「治安部隊はもうすぐ突入してくる。すぐにトイレに来てくれ。ここは(体が)痛い」。兄のメールに弟は「軍には兄さんのことを伝えてあるよ」と返した。返事はなかった。午前6時22分、「今どんな状態なのか教えて」とメールを送ったが、やはり返事がない。午前7時40分、治安部隊が突入した。その後も、兄から返事は返ってきていない。

 生存者がAP通信などに語った証言によると、武装集団は従業員に店内の明かりを消すように命令。内部の様子を悟られないために店に取りつけられた監視カメラを黒い布で覆い隠した。

 また、襲撃者らはバングラデシュ人に1階にいるように指示。外国人は選別されて2階に連れて行かれたという。生存者のバングラデシュ人、ハスナット・カリムさんから当時の状況を聞いた父親は「(人質)全員にコーランの一節を唱えることができるか尋ね、できない者は拷問を受けた」と証言した。

 店内に突入した治安部隊の足元には、真っ白な石畳の床を真っ赤に染めた血の海が広がっていたという。

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