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経済対策

10兆円超 首相指示、建設国債追加へ

第2次安倍政権が策定した経済対策の財源

 安倍晋三首相は12日、石原伸晃経済再生担当相らに経済対策の策定を指示した。リニア中央新幹線の大阪延伸の最大8年前倒しなどが柱となる。事業規模は10兆円超となる見通しで、月内をめどにまとめる。だが、景気低迷で財源となる税収は頭打ちとなっており、政府は4年ぶりに建設国債を追加発行する方針だ。大型の経済対策は一層の財政悪化を招く可能性もある。

     「成長の投資となるものは思い切って行い、中長期的な成長基盤を構築する」。安倍首相は石原氏らに対策の狙いをそう説明した。ただ、首相が指示した対策のメニューは、訪日外国人客を地方に呼び込むための港湾整備や、農産物輸出拡大のためのインフラ整備など公共投資が中心。一方、首相が看板政策と位置付ける介護や子育て支援など「1億総活躍プラン」については、「加速化につながる施策を盛り込む」と述べるにとどまった。

     国内では、年金など将来不安を背景にした消費低迷が長引いている。少子高齢化などで経済の実力を示す潜在成長率は0%台にとどまっており、「目先の対策ではなく、経済の底上げにつながるような成長戦略の実行が必要」(証券アナリスト)との指摘は多い。

     しかし、成長産業に人材の移転を進めたり、女性の就労を促したりして所得増などにつなげる「働き方」改革は、企業の意識改革の遅れなどで進んでいない。消費税の増税再延期で社会保障の不安解消も遠のいている。

     今回の対策では、財源探しも課題だ。円高などを背景に、2015年度の法人税収は6年ぶりに減少。対策の財源に使える剰余金は安倍政権発足後、毎年1兆〜2兆円発生していたが、15年度は約2500億円にとどまった。一段と円高が進んでいる16年度も、税収が想定を上回る「上ぶれ」は見込めそうにない。

     政府は、政府が民間に低利融資する財政投融資を5兆円程度活用する方針とみられるが、それでも財源は不足する見込み。12日に記者会見した石原氏は、「赤字国債の発行は望ましくない」としつつも、公共事業などに使途を限定した建設国債の追加発行は容認した。建設国債を追加発行すれば、安倍政権発足直後の12年度補正予算以来、4年ぶりとなる。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「国債の追加発行で財政悪化がさらに進みかねず、財政健全化目標の達成は一層遠のくだろう」と指摘した。【小倉祥徳、横山三加子】

    中長期的な政策を…法政大大学院教授 小峰隆夫氏

     参院選で安定多数の盤石な政権基盤を得たのだから、短期的ではなく中長期的な視点の経済政策に転換すべきだ。「アベノミクスのエンジンをふかす」として、大型補正予算を組もうとしているが、雇用が安定し、賃上げも進むなど足元は大きな緊急対策が必要なほど悪い経済状況ではなく、必要性は感じられない。少子化問題や格差問題などの根底にある働き方の改革に腰を据えて取り組むべきだ。多様な働き方や、成長分野に転職しやすくなるような働き方を制度面で後押しする必要がある。起業家も誕生しやすくなり、成長を押し上げるだろう。一方、社会保障制度改革も必要だ。高齢化や少子化で歳出は増え続けており、効率化や合理化を進めるべきだ。

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