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地元、地道な活動実り歓喜…世界遺産に

世界文化遺産への登録が決まった国立西洋美術館前では、記念撮影する来館者らでにぎわった=東京都台東区で2016年7月17日午後5時45分、猪飼健史撮影

 国立西洋美術館がある台東区の区役所会議室では、区民代表や区議ら約60人が、インターネットで公開された審議を見守り、登録が決まると手を取り合って喜びを分かち合った。トルコで発生したクーデター騒乱の影響で一時は審議も危ぶまれただけに「雨降って地固まる、だ!」との声も上がった。

 地元商店会や町会でつくる「国立西洋美術館世界遺産登録たいとう推進協議会」の野原肇事務局長は「日本がいかに平和な国か、今回のクーデター騒乱で改めて思い知った。今後はお祭り気分を捨て、美術館を訪れる人たちをもてなしていきたい」と語った。

 のぼりを上野駅周辺に立て、パンフレットを配って登録への機運を盛り上げる地道な活動を続けて10年。感慨もひとしおだ。

 国立西洋美術館の馬渕明子館長は「地域の皆さんのおかげで登録決定にこぎつけた。今後も世界文化遺産を一緒に守ってほしい」と地元への感謝とお願いを笑顔で話した。

 周辺の街も祝福ムードに包まれた。食料品店など約70店が軒を並べるアメ横センタービル(台東区上野4)。昨秋、外壁に出した「国立西洋美術館を世界遺産に!」と記した懸垂幕(長さ9・8メートル、幅2・6メートル)は登録決定を受けて取り換えられる予定だ。同ビルの林克也社長によると、国際記念物遺跡会議(イコモス)が登録を勧告して以降、外国人客が増えたといい「クーデター騒乱は残念だったが、今後はもっと客が増えるだろう」。

 NPO法人「世界遺産アカデミー」の本田陽子研究員は「ユネスコは最近、地元住民らが登録に向けてどんな活動をしているか注視している。登録は、地元住民のバックアップがあったことが大きい」と話した。

 新たな観光資源としての期待もかかる。地元商店など1200店でつくる上野観光連盟によると、美術館がある上野公園の昨年の入場者約2000万人のうち、公園を出て買い物などをしたのは約2割にとどまるという。同連盟の茅野雅弘事務総長は「公園から商店街にもっと人を誘導する方法をみんなで考えたい」と話した。【野島康祐】

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