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学力差だけではない大学の格差=粥川準二(科学ライター)

 7月10日、選挙に行ってきた。

     ところで筆者は三つの私立大学で非常勤講師として講義を担当している。当然だが、学生たちの学力や理解度には差がある。A大学とB大学の学生はそんなに問題はないが、C大学の学生の半数は小学校高学年レベルの算数を使いこなせない。

     学力に差があるのは割り切ることができる。同じようなテーマで90分話す場合、C大学ではA大学の3分の2程度の情報量だけを教える。深刻なのは、態度や意欲に差があることだ。C大学では、教室に行くとみんな真っ暗な中でスマホをいじっている(誰も明かりをつけようとしない!)。いくら「質問ありませんか?」と聞いても、手を挙げる学生はほぼ皆無。毎回小さな紙に意見や感想を書かせているのだが、配布プリントから数行写すだけの学生が大半。

     彼らは学ぶことの価値を誰からも教えてもらえなかったのだろう。ようするにA大学やB大学と、C大学とでは、学生の親たちの社会経済的地位が違うと推測せざるを得ない。

     A大学の学内新聞によると、アンケートでは学生の66%が「投票に行く」と答えた。C大学では学祭で模擬選挙などが行われた。が、授業内容について意見を書けない学生が政治に意見を持つとは考えにくい。

     選挙で経済格差の解消に消極的な政党や候補者が勝てば、そのしわ寄せは社会的弱者に向かう。筆者が教える学生たちに話を限れば、C大学の学生だ。彼らがそれを自覚している気配はまったくないが、将来苦労しても、彼らの自己責任なのか。その点は割り切ることができない。


     林英一、金原ひとみ、長有紀枝、吉崎達彦、粥川準二の各氏が交代で執筆、毎週火曜日に掲載します。

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