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自治の風土 「都市化」に抗うことをあきらめない
二十数年前、東京から岩手県の小さな農村に移住してきたとき、私の仕事は町役場の農林課で農家の人たちと特産品づくりに走り回ることだった。
官庁街のビルの中しか知らなかった若造が働くことになったのは、朝からいきなり農家のじいさんが「今朝撃ったからさばいて食うべェ」と血だらけのキジをぶら下げ、酒臭い息でやって来るような職場。とにかく、すべてがびっくりぽんだった。
ある日、霞が関で自分が一生懸命に書いた要綱が県を通して役場に送られてきた。ちょっとどぎまぎして周りを見ていると、ハンコはつくが誰も読まずに資源箱へ。
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