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核実験禁止へ安保理決議案 9月にも提出

オバマ米大統領=2016年5月27日(代表撮影)

 【ワシントン会川晴之】米ワシントン・ポスト紙(電子版)は4日、オバマ米大統領が核実験の全面禁止を求める決議案を国連安全保障理事会に提出することを決めたと報じた。署名開始から今年9月で20年を迎える核実験全面禁止条約(CTBT)の発効に見通しが立たない中で、条約と同等の効果がある安保理決議採択で「核兵器のない世界」の実現を目指す狙いがあるという。決議案は早ければ、来月の国連総会に合わせて提出される可能性がある。

 CTBTは1996年9月の国連総会で署名が開始された。日本をはじめ164カ国が批准を終えているが、米国は99年に議会で否決された。野党共和党が議会多数派を占める中で、早期批准は不可能となっている。また、条約発効には米国のほか中国、北朝鮮、インド、パキスタンなどの批准も必要だが、米国と同様に批准の動きはない。このため、核専門家らが安保理決議の採択をオバマ政権に促していた。

 米国以外の安保理常任理事国のうち、英仏露はCTBTを批准。中国は批准していない。ただ、安保理に決議案が提出されれば、可決する公算が大きい。採択されれば、核実験を強行する北朝鮮への強いけん制になる。

 オバマ氏は、米国の大統領として今年5月に初めて被爆地・広島を訪問。2009年のプラハでの演説で「核兵器のない世界」の実現を訴え、ノーベル平和賞を受賞した。残りの任期があと5カ月と迫る中で、核政策の転換を図ることが「外交上の政治的遺産(レガシー)」作りにつながるとの思いがある。

 ワシントン・ポスト紙によると、エネルギー省のモニズ長官らオバマ政権の幹部が、決議案提出への理解を得るため、議会との接触を始めているという。

 一方、米国家安全保障会議(NSC)のプライス報道官は、毎日新聞の取材に「(CTBT批准に向けた)議会への説得を続ける」考えを強調し、ワシントン・ポスト紙の報道を否定している。

 【ことば】核実験全面禁止条約(CTBT)

 1996年に国連総会で採択され、宇宙や地下などあらゆる空間での核爆発実験を禁止する。発効には潜在的な核開発能力を持つ44カ国(発効要件国)の批准が必要。このうち、米国▽中国▽エジプト▽イラン▽イスラエル▽インド▽パキスタン▽北朝鮮−−の8カ国が未批准。印パと北朝鮮は署名もしていない。現在は署名183カ国、批准164カ国(いずれも日本を含む)。

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