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トルコ

ギュレン師派弾圧 教諭「魔女狩りだ」

住民による投石などで窓ガラスが破壊されたメフメット・エロール小学校=アンカラ市プルサクラジ地区で2016年8月14日、大治朋子撮影

 【アンカラ大治朋子】トルコ政府は一部軍人によるクーデター失敗を受け、米国在住のイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン師(75)を「首謀者」と断定。支持派とする公務員7万人以上を粛清した。教育分野では1500以上の教育施設を閉鎖。14万人近くの生徒が転校を強いられている。教職免許を奪われた教諭は2万人余り。そのうちの一人で32歳の教諭が書面でインタビューに応じ、生徒たちに大きな負担が生じている現状に強い憤りを示した。

 教諭は「ギュレン師派」とされる私立高校で理系の教科を担当。記者が、教職免許などで身元を確認した。教諭は「クーデターとは無関係」だが、治安当局による拘束を恐れ、匿名を希望した。

 トルコ教育省は事件後、ギュレン師の関連組織が運営する私立の小中高校936校と449の学校寮、284の教育施設を閉鎖すると発表した。教諭は、クーデターが失敗に終わった数日後、「学校側から閉鎖の知らせを聞いた」という。生徒たちは「落ち着かない様子で、これからどうなるのといった質問が絶えない。先が見えないままでは、答えようがない」と述べる。親からの問い合わせも殺到。ある親が学校に行くと「警官がいて、入らないでくれと言われた。学校が攻撃を受ける可能性があるようだ。メディア全体が政権寄りの報道を続けている。我々(ギュレン師支持派)をテロリストだと決め付け、残念なことに、その報道を見る国民が私たちに怒りをぶつけている」という。

校舎に投石、ガラス散乱

 14日、ギュレン師率いる組織が運営するアンカラ市プルサクラジ地区のメフメット・エロール小学校を訪ねた。地元住民によると、クーデター失敗が報じられた7月16日早朝から、多数の住民が集まり、投石などを始めたという。校舎は多数の窓が壊され、ガラスが散乱したままだった。

 教育省によると、閉鎖された私立学校に通っていた児童・生徒は計約14万人で、公立校か別の私立校に転校することになる。ただ、通っていた学校名を申告すると「うちの学校はいっぱいです」などと受け入れを拒否されるケースが相次いでいるという。

 教諭は「教職は天職だと信じている。教師以外の仕事をしたいと思ったことがない。トルコではもう教師を続けられそうにないので、海外渡航を考えている」と述べた。

 政権によるギュレン師派への圧力が高まったのは、2013年末から。大規模な汚職事件が摘発され、エルドアン首相(現大統領)の親族を含む多数の閣僚らが逮捕された。政権側は「ギュレン師支持派の多い警察による謀略」と猛反発し、対立が激化した。教諭は、この事件以降「圧力が徐々に強まり、クーデター(失敗)でその罪を着せられ、魔女狩りになっている」と指摘。「トルコは(法治国家ではなく)恐怖国家。残念ながら国民の多くは恐怖政治に不満がない。犯罪者に仕立て上げられた我々との戦いに夢中だから」と述べた。

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