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社説

シールズ解散 「次」にどうつなげるか

 昨年成立した安全保障関連法の廃止などを街頭で訴えてきた学生グループ「SEALDs(シールズ)」が解散した。昨年の結成以来、活動は全国に広がり、先の参院選では民進、共産両党などによる野党共闘が実現するきっかけを作った。その意義は決して小さくない。

     「民主主義って何だ」「これだ」−−。こんなラップ調の掛け合いでシールズが安保関連法に反対する活動を国会周辺で始めたのは昨年6月だった。彼らはごく自然にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を駆使する世代だ。その呼びかけに応じて、高齢者も含めて多くの人がデモに集まった。

     そうしたスタイルは「デモは政党や労働組合など既存の組織や団体が動員するもので、古臭い(=ダサい)」といったイメージを一変させたといっていい。組織に属さない個々の市民をつなげる新しい市民運動の一つのモデルとなるだろう。

     安保関連法成立後は各地でメンバーや学者、市民グループによる「市民連合」が結成され、参院選での野党共闘を後押しした。その結果、1人区(改選数1の選挙区)すべてで野党4党が候補者を一本化し、一定の成果を上げたのは記憶に新しい。

     これも実際には野党共闘を各地で進めるために政党側が彼らに頼った面が大きい。「最近の若者は政治に無関心」という世間の常識を変え、野党レベルとはいえ現実の政治に影響を与えたことは特筆されていい。

     ただし、過大評価されるのはメンバーにとっても重荷だったろう。安保関連法は自民党などの多数で成立し、参院選でも野党が掲げた「参院での改憲勢力3分の2阻止」の目標は果たせなかったからだ。

     各種の世論調査やアンケートを見ても、彼らの行動に共感してデモに参加したいと答える人は同じ若い世代でも少数にとどまっている。

     シールズが目指してきたのは政治を一部のプロだけに任せるのではなく、一人一人の日常生活と政治をどう結びつけるかだったという。今後に残された課題だと受け止めたい。

     言うまでもなく、デモに参加することだけが政治参加ではない。そして誰でもできる政治参加が選挙である。ところが先の参院選も投票率は54%。特に憲法や安全保障への関心は総じて薄いのが実情だ。

     政府や政党は、まず国民全体の政治への関心を高める努力をしていく必要がある。

     日々の暮らしの中で政治を考え、語り合うのが当たり前になる社会。時の政権が行き過ぎていると思ったら、市民が異議を唱え、政権側もきちんと耳を傾ける政治。それを進める契機としたい。

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