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調査捕鯨妨害、永遠に禁止 日鯨研合意

 日本鯨類研究所(東京)などは23日、反捕鯨団体「シー・シェパード」(SS)との間で、調査捕鯨船に対する妨害行為を永久にしないことで合意に達したと発表した。調査捕鯨の安全確保に向けて前進したものの、合意は米国の連邦地裁の調停によるもので、オーストラリアなど米国以外を拠点とするSSのグループには適用されない。今後も妨害が続く可能性が残されているほか、日本の調査捕鯨に対しては国際的な批判も根強い。

     SSとの合意に達したのは南極海などで調査捕鯨を実施する日鯨研と、船舶を保有する共同船舶。SSによる調査船への攻撃や、安全な航海を脅かすような航行のほか、公海上で調査船に450メートル以内に近づくことが禁止された。

     SSは調査船に対するレーザー光線の照射や小型船による体当たりなどの妨害行為を繰り返し、2010年ごろから鯨の捕獲量が激減したため、日鯨研は11年に米国の裁判所に提訴。13年に裁判所は妨害行為の差し止め命令を出したものの、その後も妨害が続いたため、裁判所はSSに約3億円の賠償金支払いを命じた。今回の合意で日鯨研などは、妨害行為に使わないことを条件に、賠償金の一部を和解金としてSSに返還した。

     日鯨研は合意について、「調査船団の安全確保が一定程度、達成できる」と評価する。ただ、合意内容は米国以外のSSのグループには適用されず、オーストラリアなどのグループはなお妨害行為を継続する姿勢とみられる。水産庁は「今後も連携を取りながら、安全体制の強化に取り組みたい」(担当者)としている。

     また、SSの強硬手段に対しては各国の批判が強いものの、日本の調査捕鯨に対する国際世論は厳しい。14年には国際司法裁判所(ICJ)が、日本に南極海での調査捕鯨の中止を求める判決を出した。日本は捕獲数を大幅に縮小するなどして昨年12月に南極海の捕鯨再開にこぎ着けたものの、反捕鯨国は強く反発しており、日本が目指す商業捕鯨の再開は見通せない状態が続いている。【宮川裕章、松倉佑輔】

    南極海の調査捕鯨を巡る対立の経緯

    2005年

     反捕鯨団体「シー・シェパード」が南極海での調査捕鯨に対して妨害を開始

    2010年

     東京海上保安部が艦船侵入容疑などでシー・シェパードの抗議船船長を逮捕

     オーストラリア政府が南極海での調査捕鯨中止を求めて国際司法裁判所(ICJ)に日本を提訴

    2011年

     日本鯨類研究所がシー・シェパードの妨害差し止めを求めて米連邦地裁に提訴

    2014年

     ICJの判決で日本が敗訴。この年度は南極海での調査捕鯨を取りやめ

    2015年

     米国での訴訟でシー・シェパード側は255万ドル(約3億円)を支払うことで合意

     捕獲枠を大幅に減らした新南極海鯨類科学調査を開始

    2016年

     米訴訟でシー・シェパード側が今後の妨害活動を行わないことで合意

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