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ぶんかのミカタ

没後3年・山崎豊子再読 まるで図鑑、精緻な「大阪」=ノンフィクションライター 井上理津子

「花のれん」で直木賞を受賞した頃の山崎豊子さん。当時、学芸部記者として勤務していた毎日新聞大阪本社の図書室で=大阪市北区堂島で1958年7月、南川昭雄撮影

 作家、山崎豊子さんが亡くなって来月29日で3年。命日が「豊子忌」と名付けられ、さらなる顕彰が進む。大阪を出発点にした山崎作品の魅力を寄稿してもらった。

     ◇

 山崎豊子さんといえば『沈まぬ太陽』や『大地の子』など社会派小説の印象が強いが、“大阪もの”といわれる初期の小説群の面白さを知らない手はない。久しぶりに『ぼんち』『花のれん』『暖簾(のれん)』『女系家族』『しぶちん』を再読したが、翌日に響くとわかっていながら、ページをめくり続けてしまい、窓の外が白むこともたびたびとなった。

 承知のとおり、山崎さんの“大阪もの”の多くは、戦前の大阪商人たちが勤勉に働き、機転を利かせて成功し…

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