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余録

「貴族派と庶民派の争いこそ…

 「貴族派と庶民派の争いこそ(古代)ローマを自由な国家として維持することになった第一の原因であった」と述べるのはルネサンス期のフィレンツェの政治思想家マキャベリだ。彼はこうも記す▲「(どの国でも)二つの異なった気質−−一つは人民の気質、もう一つは力を持った人々の気質−−があり、自由を促進する法はすべて両者の不統一から生まれるのである」。イタリア人政治学者サルトーリの「現代政党学」からの引用だが、つまりマキャベリは後の時代の「政党」の役割を見通していたのだ▲こちらは明治初めに英国議会を視察した岩倉(いわくら)使節団の久米邦武(くめくにたけ)による政党政治の観察である。「英国文明が進展するのは、改進派の政府の時に一歩を進め、保守党の政府の時にこれを完全な形に仕上げて、自然に改良への方向に一貫性を保つ状況が生ずるからである」▲およそ民主的な政党政治の神髄(しんずい)は対抗する党派のダイナミックな相互作用を通して政治社会の発展をもたらすところにある。ならば野党第1党の役割の大きさは今さらいうまでもないが、民主党の下野(げや)この方、看板は変われども党勢の回復にはほど遠い民進党である▲その代表選は当初、蓮舫(れんほう)氏の無投票当選かともいわれたが、前原誠司(まえはらせいじ)氏、玉木雄一郎(たまきゆういちろう)氏との三つどもえとなった。ともかくも三者三様の「気質」を辛うじて示せたかたちだ。こと自ら党を率いるとの名乗りならば、もっと上がってもおかしくない崖っぷちの党である▲巨大与党と渡り合い、ダイナミックな相互作用を生み出せるリーダーシップの持ち主は誰か。国民から選択を委ねられた民進党代表選の有権者である。

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