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村上陽一郎・評 『時代区分は本当に必要か?』=ジャック・ル=ゴフ著

 (藤原書店・2700円)

歴史記述はどうあるべきか を問う

 昔、そう、もう六十年以上前のこと、高校生の私は世界史の授業をとった。その教科書では、当然のように、古代、中世、近代という時代区分が用いられ、おまけに中世には「暗黒の」という形容語が付されていた。漠然とではあるが、しかしかなり強い違和があった。その違和は、大まかに二つの要素からなっていた。一つは「世界史」と銘打たれながら、ヨーロッパ的なこの三区分が、当然のように「世界」全体に当てはめられていること。もう一つは、ヨーロッパの中世の人は、自分たちの時代を「暗黒」はおろか、「中世」とさえ考えていたとは思えないこと。この二つである。私が曲がりなりにも、科学史という歴史学の中ではおよそマイナーな分野に向かった原点が、ここにあったと言える。

 だから、フェーヴルやブロック以来、ブローデルに至るフランス、アナール派の学統の仕事に触れたとき、彼…

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