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NPO、経団連に要望書

「求人詐欺」の被害例

 求人情報と実際の労働条件が違う「求人詐欺」が後を絶たないことから、労働問題に取り組むNPOや学者、弁護士で作る「ブラック企業対策プロジェクト」が被害実態を公表し、日本経済団体連合会(経団連)に対応を求める要望書を送った。「劣悪な労働条件を好待遇のように装う不公正は許されない」と訴えている。

 プロジェクトに参加している労働NPOのPOSSE(ポッセ)には、求人詐欺の相談が数多く寄せられている。この春大学を卒業し、教育産業の会社に正社員で就職した愛知県に住む女性(23)も被害を訴えている一人だ。

 教員免許を持つ女性は、教育関連の仕事に就くことを希望していた。民間求人サイトで「営業はなく生徒指導メイン」と記された業務内容と「給与20万5000円」の情報を見て応募、面接を経て昨年5月中旬に内々定を得た。その後、正式な内定が出た時も含めて求人情報以上の説明はなく、今年3月15日になって初めて具体的な労働条件が契約書で示された。基本給の中に固定残業代3万6000円、研修中の半年間だけ支給される手当1万円などが含まれており、実際の本給は13万円だったことが分かった。

 毎日、3時間超の残業があり、仕事の内容も営業が中心だった。女性は長時間残業とパワハラで適応障害を発症して休職、試用期間満了で解雇されたといい「入社の日に違う労働条件を示されショックだった。ウソのない情報なら違う選択をした」と話す。

 求人情報を巡っては、厚生労働省が2015年10月に、賃金にあらかじめ固定残業代を含む場合はその代金と残業時間を明記するよう指針を出しているが、守られていないのが現状だ。

 流通大手のケースでは「給与20万8000円」とは別に諸手当が支給されるかのような記載があったが、実際は基本給と諸手当を合わせた支給総額が20万8000円だった。

 プロジェクトは要望書で経団連に対し(1)正式な内定を出す日までに賃金の内訳など労働条件を明示する書面を交付すること(2)会員企業が労働条件を明示した書類を交付したかを調査し、結果を公表すること−−を求めた。プロジェクトの共同代表でポッセの今野晴貴代表は「賃金が低いとされている業界で、見せかけの賃金でだまして人を集めることが横行している。放置されれば、社会、経済に深刻な影響を与える」と指摘している。【東海林智】

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