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「聖人」に…死去から19年、異例の早さ

インド・カルカッタの施設で少年の手を握るマザー・テレサ=1990年撮影

 【ローマ福島良典】インドで貧者救済に生涯をささげ、ノーベル平和賞を受賞した修道女、マザー・テレサ(1910〜97年)をキリスト教カトリック最高位の崇敬対象「聖人」とたたえる式典「列聖式」が4日、バチカンのサンピエトロ広場で開かれた。死去から19年の早さで聖人となり、全世界のカトリック信徒の模範としてのお墨付きを得た。フランシスコ・ローマ法王が掲げる「貧者の教会」路線に弾みを付ける追い風となる。

     カトリック教会は「いつくしみの特別聖年」(11月20日まで)の期間中で、式典にはカトリック信徒ら約12万人が集まり、インドやアルバニアなどから他宗教の信徒も参加。フランシスコ法王は「マザー・テレサは人命を守るために献身し、世界の大国が自ら作り出した貧困の罪を認めるよう声を上げた」とたたえ、式典後に貧困者ら1500人にピザをふるまった。

     マザー・テレサは現マケドニア・スコピエの生まれ。18歳で修道女となり、1929年に現インド東部コルカタに渡った。50年代初めに修道会「神の愛の宣教者会」を設立し、「死を待つ人々の家」を開設。身寄りのない病人や子ども、貧困者を救済し、79年にノーベル平和賞を受賞した。修道会の活動は現在、139カ国に広がる。

     聖人に次ぐ「福者」の認定手続き開始には通常、死去後5年の待機期間が必要だが、マザー・テレサの場合、異例の早さで進められた。2003年に先々代法王の故ヨハネ・パウロ2世によって列福され、フランシスコ法王が昨年12月に二つ目の「奇跡」を認定し、聖人となることが決まった。

     マザー・テレサとフランシスコ法王には三つの共通点がある。社会的弱者に寄り添う「貧者の救済」、欧州ではない「辺境からの視点」、男性優位社会における「女性の地位向上」だ。

     法王は13年3月の就任以来、教会を「野戦病院」と位置づけ、「貧者の教会」を掲げる。紛争地を自ら訪れ、難民・移民や戦争被害者、病人、ホームレスらに支援の手を差し伸べてきた。海を渡り、遠い南アジアのスラム街に向かったマザー・テレサに対して、法王は南米アルゼンチンの出身。欧州中心主義の根強いカトリックで初の中南米出身法王だ。共に「辺境」の視座を持つ。

     マザー・テレサの列聖はカトリック教会で女性が果たす役割の重要性にも光を当てた。法王は今年8月、司祭に次ぐ聖職者の職位「助祭」への女性の登用を検討する委員会を設置したばかりだ。

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