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「兆し」を常時監視 人工衛星でデータ集約 

奈良県十津川村・栗平の土砂ダム。右側の山腹が崩れ、川をせき止めた=2012年9月撮影、紀伊山地砂防事務所提供

和歌山大の研究グループ 今秋、実験開始

 2011年9月の紀伊半島豪雨で多くの犠牲者が出たことを教訓に、和歌山大の研究グループが、斜面の動きや土砂ダムの水位変化のデータを人工衛星経由で常時監視するシステムの構築を目指して今秋、実験を始める。実現すれば、ネット上で市民と情報を共有でき、災害予測や避難などにつなげたい考えだ。

 紀伊半島豪雨では、各地で大規模な土砂崩れが起きたほか、崩れた土砂が河川をせき止める土砂ダムが多数発生した。災害現場は携帯電話が通じないエリアが多い。

 国土交通省は現在、和歌山、奈良、三重3県の災害現場計31カ所で、土砂崩れにつながる斜面の変化などを感知する送信機付きの伸縮計を設置。その他に計約180カ所に水位計や雨量計などを配置している。

 伸縮計は10分おきにデータを送信しているが、電話が通じない場所では、衛星通信を利用せざるをえず、通信や設置のコストがかさむ。一方、水位計や雨量計などには通信機能がなく、業者が月1回巡回してデータを集計。手間がかかり、リアルタイムで状況を把握できない。

 こうした課題解決のため、研究グループは最大の犠牲者を出した和歌山県那智勝浦町で、機器間で通信できる基板を取り付けた水位計や雨量計を設置。これらの機器で一つのネットワークを作り、一定時間ごとにデータを1カ所に集約する実験をスタートする。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)で小惑星探査機「はやぶさ」の打ち上げにも携わった同グループの秋山演亮教授によると、ネットワーク化によるコスト削減で、観測地点を増やしてより広範囲を警戒できるという。

 データの集約先を衛星通信のできる送信機にし、多くのデータを衛星経由で送信でき、ネット上で一元化することが可能に。衛星通信の利用で、地上施設の被災などに影響を受けない安定した通信環境を確保できるとしている。

 同グループと国交省などは14年度から奈良県十津川村で伸縮計のデータを低軌道の人工衛星に送ることでコストを下げる実験も進めている。秋山教授は「これらの方法が確立できれば、地球規模での観測も不可能ではなくなる」と話している。【稲生陽】

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