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余録

紀元1〜2世紀のストア派の哲学者エピクテトスは…

 紀元1〜2世紀のストア派の哲学者エピクテトスは片足が不自由だった。だが彼は自分をオリンピア祭のレスリングの史上最強の覇者だったミロンになぞらえ、「私はミロンではないだろう。けれど私は身体をおろそかにしない」という▲エピクテトスによれば、ミロンをめざして練習するレスリングの競技者たちもたとえ自らが及ばないと分かっても鍛錬をやめはしない。哲学者としてソクラテスをめざす彼は、自らの運命を引き受けつつ、それを超える高みに向けた努力を怠らない人の心を称揚した▲「スリー・アギトス」とは青、赤、緑の三つの弧からなるパラリンピックのシンボルマークである。アギトスとはラテン語で「私は動く」。地球上の各地から選手が集まり、その強い意志によって世界にインスピレーションを与えていく運動を象徴するものだという▲160カ国・地域から4400人が参加するリオ・パラリンピックが日本時間の今朝開幕、12日間にわたって22競技528種目が繰り広げられる。前回のロンドン大会では金5個を含むメダル16個を獲得した日本は132人が参加、初めてNHKも毎日生中継をする▲参加22カ国・567人、運営資金約1億円だった52年前の東京大会から思えば巨大イベントと化したパラリンピックだ。ロシア不在の大会をもたらしたドーピング問題、義足など器具の性能やルールをめぐる公平性の論議もスリー・アギトスにからみつく今日である▲とはいえ自らの限界を超える高みをめざす人々が競い合う大会である。今度はどんな奇跡が世界を驚かすのか。その感動は世界をどう変えていくのだろう。

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