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麻疹集団発生 感染症への警戒怠るな

 関西国際空港を中心に起きた麻疹(はしか)の集団発生は海外から入ってくる感染症への対応の重要性を改めて喚起した。これを機に各方面で対策を再点検することが大事だ。

     関空でのはしか集団感染は8〜9月にかけて起き、空港に勤務する従業員33人が感染したことがわかっている。感染者と接触した人や、関空利用者の中にも感染者が出ている。関空とは関係のないケースも含めると、今年に入って国内で130人の感染が確認されている。

     関空での集団感染の発端は確認できていないが、中国、モンゴル、インドネシアなどアジア諸国ではしかが流行しており、旅行者や帰国者がウイルスを持ち込むことは常にありうる。はしかはワクチンで防げることを考えると、空港関係者には油断があったのではないだろうか。

     はしかのウイルスは非常に感染力が強く、空気感染する。肺炎や中耳炎などの合併症だけでなく、脳炎を起こすこともある。死亡例もあり、甘く見てはいけない感染症だ。

     かつて日本の患者数は年間数十万人に上ったこともあり、一時は「はしか輸出国」と非難されるほどだった。2007〜08年には10〜20代の大流行が起きている。ただ、06年度から未就学児を対象に2回のワクチン定期接種を始めたことなどが功を奏し、15年には土着ウイルスが国内に存在しない「排除状態」と認定された。事実上の撲滅だ。

     にもかかわらず、今回のような集団感染が起きたひとつの理由は、ワクチン接種が不十分な人がいることだ。はしかワクチンは、通常2回接種で免疫が得られるが、日本の予防接種制度には変遷があり、未接種の世代や1回接種の世代がある。定期接種の対象となっていても接種率の低い地域や世代がある。

     関空のケースでは感染者はワクチンを1回しか接種していない人の多い20代と30代に集中しており、全国的にみても同世代の感染者が多い。接種したと思っていても、記憶が当てにならないこともある。怪しいと思ったら医療機関と相談し、ワクチン接種を心がけたい。一方で、今回のケースをきっかけに地域によってはワクチン不足が起きる恐れもあり、調整が必要だ。

     今回はたまたまはしかが注目されたが、これだけ世界との行き来が盛んになった今、どのような感染症が海外から入ってきてもおかしくない。外国人観光客を積極的に誘致しようとしている以上、感染症にも警戒を怠らないようにしたい。

     ワクチンで防げるような感染症については、海外からの窓口である空港や港湾などで働く人々が積極的に接種する体制作りも検討してもらいたい。

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