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余録

46年前の大阪万博で…

 46年前の大阪万博で「幻の万博入場券」が通用したのを覚えておられようか。何かといえば1940年に東京で開催予定だった「紀元(皇紀)二千六百年記念日本万国博覧会」の入場券で、提示さえすれば特別入場券に換えてもらえたのだ▲この幻の万博、同年に予定の東京五輪と同時開催されるはずだった。加えてこの年には冬季五輪も札幌で行われることになっていた。今日では考えられない夏と冬の五輪、さらに万博という世界的大祭典の日本同年開催を吹き飛ばしたのが、日中戦争の泥沼化だった▲幻の東京万博では開催費調達のため懸賞つき前売り入場券が売られた。最高3000円の賞金が当たったが、これは当時家を買えた額という。買った人もまさか30年後の万博で使うとは夢にも思わなかったろう(夫馬信一(ふましんいち)著「幻の東京五輪・万博1940」原書房)▲さて「東京五輪から大阪万博へ」という戦後高度成長期の黄金のロードマップの再現か。政府は2025年の万博大阪誘致にむけ調整に入ったという。これまで誘致活動を進めてきた松井一郎(まついいちろう)大阪府知事の要請に応じて五輪後の景気浮揚策にすえようというのである▲とはいえ今は平成の世、府の協力要請に対し地元経済界は開催費の負担に及び腰らしい。府の見通しでは湾岸部の人工島を会場にした建設費が1300億円、運営費が700億円だそうな。懸賞つき前売り入場券とはいわずとも資金調達には知恵を絞らねばなるまい▲おりしも20年東京五輪の開催費が3兆円を超えるとの見通しが大ひんしゅくを買っている。ふくらむお値段が何とも気がかりな「昭和の夢ふたたび」である。

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