メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

小池知事定例会見(1)「盛り土せず」に5段階

会見する小池百合子都知事=都庁で2016年9月30日午後2時15分、内藤絵美撮影

 東京都の小池百合子知事は30日の定例記者会見で、豊洲市場(江東区)の主要な建物の下に盛り土がされなかった問題について報告書の概要を説明した。豊洲問題などについて会見での主な発言と一問一答は以下の通り。【大村健一、岡礼子/デジタル報道センター】

 <小池都知事の主な発言>

「いつ、誰が」ピンポイントで示せない それぞれの段階で責務生じる

 豊洲市場の地下空間について、自己検証をするようにということで、9月いっぱいを期限としてまとめるように指示をしてありましたところ、事務方から報告が届きましたのでお知らせします。まず基本的な考え方として、都の職員が自ら問題に向き合う、問題の原因を解明することが必要と考えまして、都政改革本部の第一の自律改革ということで、都職員自らが今回何が問題だったかということで調査にあたらせたところです。

 調査結果についての詳細は、会見の後に事務方から報告します。私からは、重要な2点について報告します。1点目ですが、いつどの時点で誰が盛り土をしないことを決めたのかという点。2点目は、なぜ都議会、都民などへの説明責任を果たしてこなかったのかということです。都民への説明責任ということでは、例えば、ホームページ上で、ずっと建物の下も盛り土がある図をそのまま掲載し続けたという点です。都議会の答弁などでも明確なファクトを伝えていなかったという点などがあります。

 まず、1点目ですが、「いつ誰がどの時点でだれが決定して盛り土をしないことになったのか」という点。当時と現在の幹部職員へのヒアリング、過去の資料を精査しまして、その結果として、盛り土をしないことが決まったプロセスは大きくわけて5段階あっただろうということです。

 第1段階として、平成20(2008)年から21年ごろ、その時期は技術会議が開催され、土壌汚染対策工事の内容と一緒にモニタリングや万が一の場合に作業するための空間の必要性が議論されていた時期です。これに並行して、市場当局の技術担当部門で、空間を地下に設ける場合の技術面の可能性と課題について検討を開始しました。

 第2段階は基本設計の時期で、平成22年の11月に基本設計の起工が決定されまして、その際の特記仕様書には、地下という2文字は書かれていませんが、モニタリングの空間設計等は本設計に含むと明記されています。その後の設計事務所とのやりとりで、都の側から地下空間のイメージ図が提示され、地下を想定した検討がなされています。

 3段階目になりますと、平成23年8月18日、中央卸売市場新市場整備部における部課長会議では、地下にモニタリング空間を設置する方針を、部のレベルで確認したと考えられています。

 4段階目は、平成23年9月に実施設計の起工決定が行われた時期となっています。仕様書として、地下空間が建物の下全体にわたって示されている断面図が添付された資料がありました。この実施設計起工の決裁が、局として地下に空間を求める組織決定となったということです。第4のところで実施設計が具体的に明記されているということです。

 第5段階ですが、実施設計完了の時点となりまして、高さ、寸法が明記された地下空間が建物下全体にわたって示され、この時点をもって、建物の下に盛り土がないことを最終的に確定したと判断されるわけです。つまり、基本設計から実施設計に向けた一連の流れの中で、地下空間を設けるということ、盛り土をしないということが、段階的にかたまっていったと考えられます。ここが問題なんですが、いつ、だれがという点について、ピンポイントで示すのは難しい。それぞれの段階の流れのなかで、空気の中で進んでいったということで、それぞれの段階で責務が生じるものと考えています。

「説明責任を果たしたとは残念ながら、到底言えません」

 2点目の「なぜ都議会、都民への説明責任を果たしてこなかったか」という点ですが、都議会への答弁で、「全体に盛り土」と表明してきたことの原因については、組織運営上の問題に行き着くと言わざるを得ません。具体的には、土壌汚染対策を担当する土木のセクションと、建築管理を担当する建築セクションとの縦割りによる連携不足があるということと、市場長など管理部門のチェックもなされていなかった。そういう縦割りの中で、答弁は前に使ったものをそのまま活用してしまったということで、非常に遺憾、残念な流れがみられるということです。いずれにしても事実と異なる答弁をしていたことは明白で、結果として、都議会、都民、市場関係者の皆さんに対して、説明責任を果たしたとは残念ながら、到底言えません。

 ホームページに掲載し続けていた誤った図についてですが、当時からの土壌汚染対策を説明する概念図をずっとそのまま使用してきた。だれも気づかなかった。情報公開してねということで、その後のチェックさえなされていなかったという恥ずかしい状況でした。それによって、都民、市場関係者に誤解を生じさせるおそれがあるということは、当然予見できたはずだが、都民に対する説明責任を果たしていないと言わざるを得ない。

 やはり、業務を把握すべき歴代の市場長がいます。それと都民、業界の方々に説明していた「盛り土をしない」ということを知らずに決裁をしてきたという話、それと、安全対策をしてきた方々に対し、環境に関する専門家会議が、一度閉じていたからということもあるでしょうが、引き継ぎなどもいいかげんだったということだと思います。

 そういう過去の流れをチェックせずに、そのまま進めてきてしまったということです。企業でいうなら、情報の共有、コンプライアンスが欠けていたと言わざるを得ない。事実と異なる答弁をしていながら、組織の誰からも「おかしい」と異論をとなえなかったということです。一言で言うと、今回の事態を招いたもっとも大きな要因は、ガバナンス、責任感の欠如ということになります。

 加えまして、前の答弁をコピーするといった点、チェックが不足している点、意識決定プロセスが不備である点、上司と部下、土木と建築の担当、技術と事務の職種間での連携の不足があげられる。個人の問題もありますでしょうが、組織運営上のシステムの問題ということで、だからこそむしろ問題だと思っている。だからこそ都政大改革だと思っている。

 「都政は伏魔殿でしてね」と評論家のように言っているわけにはいきません。しっかり改革を進めて、このような事態が起こらないようになにをするかという意味で、今日報告したのは、自ら何がどうなっていたんだということを検証した報告書です。今回の調査を、職員自らの手でおこなったことについては一定の評価をするが、十分ではない。市場担当の部門だけで完結しているようなところがあるが、これまで関係した方々、もっとヒアリングも重ねていかなければならないと思います。

 この報告書をもって終わりにするということではなく、特にシステム的な問題を精査するということからも、昨日、都政改革本部のほうで、情報公開調査チームの検討状況のところでお知らせしたが、これから公益通報制度を設けるという準備をしています。

 豊洲の市場の問題は、特に安心安全で、地下水のモニタリングが充分でないということで、9回目の採水の結果を待ってということで延期している。「空間があった、盛り土がされていなかった」ということではなくて、安心安全の観点から、2年間のモニタリングを終えて、1月半ばに出てくる結果を見ないと、本当の意味で安心安全という宣言が都知事としてできないと申し上げてきたわけです。

 今日の報告書は、「組織の中で情報共有ができていなかった」「間違った情報公開をしてきた」という別の問題が途中から生じてきたということで、都庁のガバナンスがしっかりと働くように、都庁の職員が高い志と士気をもって、都民の皆さんのために元気に働ける環境を取り戻していくためにも進めていきたいと思っています。

 ヒアリングについては、これからもいろいろな関係者に情報提供してもらおうと考えていますが、これまでの知事へのヒアリングについては、まだ時間的な調整はできていません。

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 社説 今村復興相、暴言で辞任へ 内閣の緩みはすさまじい
  2. クローズアップ2017 今村復興相辞任へ 政権「ゆるみ」深刻 首相、擁護で傷口広げ
  3. 人生相談 免許が失効、警察官に不信感=回答者・立川談四楼
  4. 警察職員 セクハラや盗撮…処分で一番多い「異性関係」
  5. 大阪府警 「警官にふさわしくない」と分限免職処分 

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]