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熊本地震・ふるさとよ

第4部/4 小学校にできた仮設

「仮設住宅の建設が遅れて校区内で亡くなる人が出たら、僕は耐えられない」と涙ぐむ柴田さん=熊本県益城町の飯野小校長室で、福岡賢正撮影

 小学校の運動場に建てられた仮設住宅団地が熊本県益城(ましき)町砥川(とがわ)にある。4月14日の熊本地震の前震直後から5月19日まで避難所だった飯野小にできた飯野団地だ。

     震度7の激震に2度襲われた益城町では、公有地にも地割れや地盤沈下が生じ、仮設住宅用地の確保は困難を極めた。当初候補地として挙がったのは近くの農家が耕作していた同小横の田畑。そばを流れる岩戸川が氾濫すれば水没の恐れがあり断念しかけたが、地盤の高い運動場に仮設住宅を建て、代わりに田畑を運動場にする案が浮上。それを町が飯野小に持ちかけ、柴田敏博校長が受け入れを決断した。

     整備が完了するまで、運動場が3カ月以上使えなくなるのに迷いはなかったのか。飯野団地の入居申し込みが始まった5月21日に尋ねてみると、柴田さんは途中から言葉を詰まらせ、目頭を押さえながら言った。

     「子供たちを転校させまいと小屋を改造して住んだり、避難した校区外から毎日送迎してくださったりしている親御さんがたくさんおられます。それを思うと、断るなんて……。仮設住宅の建設が遅れて、もし校区内で亡くなる人が出たら……、僕は耐えられない」

     完成した代替運動場で9月25日、飯野小と地域の合同運動会が開かれた。例年は別々だが、地域は今年、地震で運動会の開催を諦めかけていた。そこに学校が「一緒にやりませんか」と提案した。「子供たちの元気な姿を見て笑顔になってほしいから」と。

     運動会を翌々日に控えた23日夜、校庭の仮設住宅を一軒一軒訪ねて参加を呼びかける柴田さんの姿があった。

     運動会当日。5、6年生の組み体操の最後に「負けんばい飯野!」と書かれた虹色の横断幕が掲げられ、子供たちが秋空に叫んだ。

     「全国からたくさんの支援を受けて、今こうしてグラウンドに立っています。感謝を忘れず、諦めず、私たちは必ず復興に向けて奇跡を起こします」【福岡賢正】=つづく

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