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熊本地震・ふるさとよ

第4部/5 仮設住宅のくまモン

玄関の横に掛けられた「くまモン」の壁飾り=熊本県益城町で、福岡賢正撮影

 熊本県益城(ましき)町砥川の飯野小学校の運動場に仮設住宅を建設するため、運動場の代替地として耕作地を提供した杉浦千枝子さん(63)も熊本地震で家を失った。現在は夫と共にその仮設住宅で暮らす。玄関横には笑った顔の「くまモン」の壁飾りが掛けられている。編んだのは、隣室に住む増永道子さん(75)だ。

     「いつも眺めて元気ばもらいよると。おばちゃんは私の人生のお手本だけん」

     杉浦さんがそう語る増永さんは7年前、左腕の筋肉に腫瘍が見つかり、3度部分切除した。しかしその都度再発し、4年前に肩から左腕を切断している。病気は落ち着いたが、地震で砥川の自宅は全壊。庭にブルーシートで作ったテントで2泊し、その後は車中泊しながら大きな被害を免れた近所の家や自宅の小屋で昼を過ごし、仮設の完成を待った。

     飯野小の運動場に飯野団地ができるとすぐに入居を望み、それがかなって増永さんは今、夫と息子夫婦、そして成人した孫2人の6人で3Kのプレハブ仮設で暮らしている。

     大人6人に3Kは窮屈そうで、「狭くないですか」と聞くと、即座に返ってきた。

     「ちょっとぐらい狭かったっちゃ、そりゃこらえにゃあ。こぎゃんして生きていかるっ場所ば作って入れてもろて、ありがたいことですたい」

     増永さんに何を尋ねても、彼女の口から否定的な言葉が漏れることはない。返ってくるのは「家族のよおしてくるっけん」「うちは嫁さんのよかけん。私ゃ嫁ごて思とらん、娘て思っとる」などの言葉ばかりだ。

     片手でどうやって編み物をするのか尋ねた時も、「恥ずかしかばってんね……」と言いながら、両足の指を左手代わりにし、ペットボトルなどの道具も駆使して編んで見せてくれた後で、こんな話を始めた。

     「手ば切った時、大学病院が付けてくれた実習の学生さんがたいーぎゃよか子だったつよ。今編み物しよっとは、そん学生さんのおかげだけん」【福岡賢正】=つづく

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