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余録

江戸時代の江戸、大坂、京都の風俗を記した随筆に…

 江戸時代の江戸、大坂、京都の風俗を記した随筆に「冷水(ひやみず)売り」の説明がある。江戸では水に砂糖と白玉を加えて1碗(わん)4文、求めに応じて砂糖を増量したものを8文、12文で売ったとある。つまり値段のほとんどは砂糖だったようだ▲京坂では白玉なしで砂糖のみを加えたものが6文、冷水売りではなくそのまま「砂糖水売り」と呼ばれたそうな。冷水が看板の江戸とて水を冷やせなかった時代である。「ぬるま湯を辻々(つじつじ)で売る暑い事」となりがちだったろうから、白玉砂糖水が正直なところだろう▲ともあれ清涼飲料水の商売の原点が「砂糖水」なのをうかがわせる江戸時代の風景である。さてその糖分入り清涼飲料への課税を呼びかけたのは世界保健機関(WHO)だ。世界で増え続ける肥満や糖尿病の背景に糖分の多い清涼飲料の過剰摂取があるからだという▲統計によれば世界の肥満人口は1980年から倍増し、糖尿病患者にいたっては4倍近くに増えた。WHOはその主因が糖分入り清涼飲料水の消費増とみている。すでにフランスやメキシコで導入された糖分入り清涼飲料への課税は英国でも2年後に導入予定という▲かつてニューヨーク州で検討された「炭酸飲料税」が飲料業界などの反発で頓挫(とんざ)した米国でも、フィラデルフィア市などでの導入のニュースが伝えられた。日本では昨年、厚生労働省の有識者懇談会が砂糖への課税を提案したが国会質疑で批判を浴びた経緯があった▲さて国民の健康増進に課税を用いる国はやさしい国か、おせっかいな国か。どちらの考えの方であれ、過剰な糖分摂取の健康リスクはちゃんと知っておきたい。

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