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「カンボジア館」存続 神戸の自治会が改修へ

三角屋根の集会所で卓球を楽しむ地域住民=神戸市北区で、矢澤秀範撮影

 1970年にあった大阪万博のパビリオンで使用後、神戸市に移設され集会所として使われている「カンボジア館」が、取り壊しの危機を乗り越えて存続することが決まった。国内移設されたパビリオン施設は国内で2カ所しかなく、老朽化が進んでいるが住民らはカンボジア大使館などの要望を受けて後世に残すことにした。11月には同国の関係者を招いた「文化祭」を開く予定で、万博の熱気を引き継ぐ。

     カンボジア館は三角形の大きな黄色い屋根が特徴で、住宅開発業者が71年に入手した。神戸市北区広陵町に移設されて集会所として使われ、92年に自治会に譲渡された。外観は当時のままで、中庭にアンコール遺跡の石像(レプリカ)が並ぶ。2階建てだった館内は吹き抜けのワンフロア(約250平方メートル)に改造された。

    大阪万博当時のカンボジア館。当時の皇太子ご夫妻も見学された=1970年3月19日撮影

     阪神大震災(95年)にも持ちこたえ、昨年の耐震診断では震度5強に耐える結果が出た。だがセメントの屋根瓦の塗装がはげるなど老朽化が進み、解体案が浮上した。自治会は存続を求める声を受けて今年9月、積立金による改修を決めた。セメント瓦は国内に製造業者が少なく、カンボジアの技術者を呼ぶことも考えている。

     協力する九州大大学院の岩元真明助教(建築デザイン)によると、設計はカンボジアで著名な建築家、ウク・ソメス氏。同国の伝統文化とモダニズム建築を融合した「新クメール建築」といい、ポル・ポト政権(75〜79年)時代以前のものとして貴重だという。

     大阪府日本万国博覧会記念公園事務所によると、万博のシンボル「太陽の塔」など今も残る建造物は少なく、国内移設されて現存するパビリオンはほかに、陸上自衛隊日本原駐屯地(岡山県奈義町)で広報室として使われている「ミュンヘン市館」のみとなっている。

     広陵町自治会長の田中収(おさむ)さん(68)は「改修を機に若い世代のよりどころにし、カンボジアと交流の輪を広げたい」と意気込む。また、2025年に再び大阪に万博を誘致する動きを受け、「貴重な遺産を大切に残していることも知ってほしい」と訴えている。

     文化祭は11月3日の予定で、カンボジア王立芸術大の建築研究者や留学生を招待し、カンボジア孤児院の作品も展示する。【矢澤秀範】

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