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連載小説 ストロベリーライフ

/5 血縁グラデーション 作・荻原浩 題字・画、佃二葉

=画、佃二葉

 待合用の長椅子の手前側、いちばんほっそりしたシルエットは進子(しんこ)ネエだ。髪を無造作におだんごにした顔をこちらに振り向けると、オッサンみたいに手刀をさしあげた。とはいえ、いつもの「よう」という挨拶(あいさつ)の言葉はなく、頬(ほお)はこわばっている。

 目で美月(みづき)に挨拶をし、長い腕を伸ばして銀河(ぎんが)の頭をすいっと撫(な)でる。

 ひ。銀河が息をのみ、美月のスカートを握りしめて後ずさりした。前回会ったのはまだ三歳の時だから、進子…

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残り2774文字(全文2998文字)

荻原浩

さいたま市出身。成城大卒。1997年「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。「海の見える理髪店」で第155回直木賞受賞。東京都在住。

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