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国、請求棄却求める 熊本地裁

初弁論を前に門前集会で意気込みを語る原告と弁護団=熊本市中央区の熊本地裁前で2016年10月14日午後1時4分、柿崎誠撮影

第1回口頭弁論

 国のハンセン病患者隔離政策で差別被害を受けたとして、元患者家族が国を相手取って1人当たり500万円の損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、熊本地裁(遠藤浩太郎裁判長)であった。国側は「隔離政策は元患者への差別や偏見を助長したが、それが家族にまで及んだとする点は否認する」と請求棄却を求めた。原告弁護団は家族被害を否認する判断基準を示すよう求めたが、国は「書面で回答する」と述べた。

     意見陳述で、原告弁護団の徳田靖之共同代表は「どれだけ多くの元患者家族が声を潜めたまま苦難の人生を歩んできただろうか。家族自らが被害を語り尽くすことで、被害から解放される裁判を目指したい」と今回の訴訟の意義を説明した。

     原告団長で、父親がハンセン病患者だった林力さん(92)=福岡市=は「国の隔離政策によって世間はハンセン病を恐ろしい伝染病と考えた。療養所に入った父のことを聞かれるたびに『死んだ』と答えるなど、私は父の存在から逃げて隠し続けて生きてきた」と語った。原告の一人の原田信子さん(72)=岡山市=は「病気がうつるといじめられ、17歳で結婚した後も夫から『病気の父親がいるのにもらってやった』と言われて耐えてきた。胸を張って生きていけるようにしてください」と涙ながらに訴えた。

     訴状によると、隔離政策で患者への差別や偏見を助長され、患者の家族であることを隠して生きることを余儀なくされた。知られた場合は離婚や転職に追い込まれるなど差別的扱いを受け、親を憎んで親子関係が根底から壊されるなどした。

     元患者については、隔離政策を違憲とし国に賠償を命じた熊本地裁判決(2001年)が確定して補償法が制定されたが、家族の差別被害に対する補償はなかった。このため、元患者の配偶者や子供ら568人が家族固有の被害を訴えて今年2月と3月に提訴した。この日は第1陣59人について弁論があり、次回期日の12月26日から第2陣509人も加わる予定。【柿崎誠、出口絢】

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