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「日本人とロシア人が互いに敬愛の念を持つこと」だけを…

 「日本人とロシア人が互いに敬愛の念を持つこと」だけを参加資格とする研究交流会が今月1日、100回目の会合を節目に「休会」した。「来日ロシア人研究会」という▲発足から21年。中心メンバーだったロシア文学研究者の中村喜和(よしかず)・一橋大名誉教授(84)によると、革命後に日本にやってきた亡命ロシア人の体験談を聞くことから始まり、やがて日本の大学に在籍するロシア人研究者らも加わるようになった▲規約なし。会費なし。経歴不問。2カ月に1度東京都内で開く会合には40〜50人が参加し、体験談や研究報告に耳を傾けた。成果は単行本のシリーズ「異郷に生きる」(全6巻、成文社)にまとめられている▲日本で活躍し、後世に影響を与えた亡命ロシア人は多い。古くはプロ野球のスタルヒン投手や、前橋汀子(ていこ)さんらを指導した音楽家の小野アンナなど。2年前に亡くなったアクショーノフ医師は、治療費が払えない人を無償で診療して「六本木の赤ひげ」と呼ばれた。ソ連崩壊後も留学や結婚で来日した多くのロシア人が日露交流を支えてきた▲だが「隣人」の存在感は薄い。政府観光局によると、昨年の訪日ロシア人は約5万4400人と全外国人の0・3%。領土問題があるとはいえ、約500万人の中国人、約400万人の韓国人と比べ何とも寂しい▲日ソ共同宣言で国交回復してから今年で60年。中村さんは、12月のプーチン大統領訪日が日露関係の「大きな変化」につながると期待する。世話役の高齢化などで休会する研究会だが、「解散」としなかったのは「日露の新時代を担う若い人たちに後を託したい」という思いからだ。

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