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ごみ屋敷

条例ありは16% 大半高齢者、主要市区調査

 家屋に大量のごみをためる「ごみ屋敷」に対処する条例の有無を県庁所在市と政令市、東京23区の計74市区を対象に毎日新聞がアンケートしたところ、条例があるのは12市区で16%にとどまった。居住者には高齢者が多く、福祉部門とごみを扱う環境部門との連携は必須とされるが、連絡会議や専門部署の設置は17市区で23%どまり。専門家は「認知症などの影響で誰にも起こり得る。自治体任せにせず、国が対策に取り組むべきだ」と指摘する。

 アンケートは6〜7月に実施。ごみ屋敷の調査をせず件数不明の市区は22、未調査でも住民からの苦情件数などを把握する市区は41で、85%は未調査だった。

 件数最多は神戸市で「周辺に影響があるごみ屋敷は約100件」と回答。大阪市と京都市は各85件、静岡市は48件、練馬区は30件など計11市区で計390件以上あったが、苦情件数は延べ720件超の上、未調査の市区が多いため、実数はさらに多いとみられる。

 苦情分を含め居住者の年代を回答した13市区のうち高齢者がいるのは12市区(他1市は63歳1人のみ)。熊本市は「苦情4件全て高齢男性」、青森市は苦情11件12人(1件は夫婦)のうち9人が70代以上、神戸市は「60代以上が約70%」とし、岐阜市は「主に老齢で親類とも疎遠で孤立しているケースがある」とした。

 認知症が疑われる人は4市区で確認されたほか、「配偶者を亡くしてショック」(金沢市)、「脳梗塞(こうそく)、糖尿病、救急搬送歴があり体調が悪く片付けられない」(和歌山市)などの人もいた。しかし、福祉部門と環境部門などの連絡会議や、関係各方面から人材を集めた専門部署を持つ市区は17にとどまった。

 居住者への支援や、自治体によるごみ処理の「代執行」などを定めた条例を持つのは12市区で、秋田市、横浜市、板橋区、練馬区は近く条例を制定する予定。自治体からは「ごみをためる根本原因への対処も必要」(千代田区)、「個人情報のハードルで(相談すべき)親類が確認できない」(岐阜市)など、対応に苦慮する意見も寄せられた。【工藤哲、山口知】

普通の人なり得る

 ごみ屋敷の問題に詳しい岸恵美子・東邦大教授(公衆衛生看護学)の話 ごみ屋敷は変な人ではなく、ごく普通の人に起こり得ることを理解してほしい。そこに住むのは健康を害するなどの人権問題と捉え、国が主導して取り組むべきだ。

■ごみ屋敷の関連条例がある市区=宇都宮市、東京都足立区、荒川区、大田区、品川区、新宿区、杉並区、世田谷区、京都市、大阪市、神戸市、北九州市

■ごみ屋敷を巡る連絡会議や専門部署がある市区=前橋市、東京都足立区、江戸川区、新宿区、杉並区、世田谷区、練馬区、横浜市、川崎市、甲府市、静岡市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、奈良市、松江市

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