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社説

2補選自民勝利 争点作りが野党の課題

 衆院東京10区と同福岡6区の補欠選挙で、自民党公認と自民系の候補がそれぞれ当選した。ともに2年前の衆院選で自民が議席を得ていた選挙区である。野党は候補を一本化したが、及ばなかった。

     東京10区補選は小池百合子元防衛相の東京都知事選立候補に伴うものだ。都知事選で小池氏を支援し、自民党東京都連と対立した比例選出議員が小池氏の後押しで出馬した。

     小池氏は当選後、豊洲市場移転や東京五輪・パラリンピック会場の見直しを進め世論の支持を得ている。自民党本部は「小池人気」に配慮し公認せざるを得なかった。

     鳩山邦夫元総務相の死去に伴う福岡6区は、鳩山氏の次男と自民党福岡県連の推す候補による自民分裂選挙となり、党本部は当選者を事後公認する苦肉の策をとった。

     自民党は、都知事選でのしこりや県連内の仲たがいを抱えながらも、小池、鳩山両氏の知名度に支えられて、手堅く議席を守った。

     課題を突き付けられたのは野党だろう。自民党が強い選挙区とはいえ、民進党に一本化した野党の選挙戦術が限界を露呈させたからだ。

     先の新潟県知事選では原発再稼働の是非が争点となり、再稼働に慎重な野党系の候補が劣勢を覆して勝利した。無党派層の関心の高い政策課題に野党共闘が効果を発揮した。

     今夏の参院選では1人区での野党共闘路線が一定の成果をあげた。東北などでは環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への反発が強いことも野党への追い風になった。

     しかし、今回の補選で再現はできなかった。民進党は年金や教育問題を訴え、アベノミクス路線を弱者切り捨てなどと批判して差別化を図ろうとしたが、浸透しなかった。

     無党派層を引き寄せる分かりやすい争点があると野党共闘が力を帯びるが、訴求力のある政策課題がない選挙では途端に力を発揮できない野党の弱さが浮き彫りとなった。

     ここ数年の国政選挙で野党が連敗している背景には、争点形成能力の不足がある。野党第1党の民進党が主導した補選で自民に太刀打ちできなかったことは痛手だろう。

     次期衆院選に向けて野党共闘をどうしていくかは重要な課題だ。与党に対抗していく争点形成を抜きに、数合わせを優先するような姿勢では「安倍1強」の壁は崩せない。

     来年中には衆院解散・総選挙があるとみられており、早ければ年明けとの観測も取りざたされている。

     野党は新潟県知事選と衆院補選の結果を踏まえ、選挙戦略の立て直しを急ぐ必要がある。一方、安倍政権にも補選での勝利におごらず、謙虚に政権を運営するよう望みたい。

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