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電柱の撤去 知恵絞って進める時だ

 都市の風景を変えられるだろうか。電線を地下に埋め、電柱を撤去する「無電柱化」を加速する動きが東京都などで広がっている。

     電柱を減らすことは、景観の改善と防災対策の一石二鳥の効果が期待できる。多額な費用が壁となり、これまで作業は停滞していた。小池百合子都知事は推進論者として知られる。コストダウンを可能とする技術革新を主導してほしい。

     電柱や電線が多い町並みは主要国で日本に特有のものだ。国内には電柱が約3500万本あり、年間約7万本ペースで増えている。

     電柱と電線が景観を損なうことはかねて指摘されてきた。電線だらけの景色にがっかりしたという外国人観光客の声も少なくない。

     しかも、電柱は地震などの際に倒壊すれば緊急車両の往来を妨害し、被害を拡大させる。防災上のマイナス面も大きく、放置できない。

     これまで、自治体による無電柱化はなかなか進まなかった。早くから取り組んでいる東京都の場合も23区で道路の約7%どまりで、都内には約75万本の電柱がある。大阪、名古屋市は5%程度だ。電線がすべて地中化されたロンドンやパリなどに比べ、差は歴然としている。

     作業が進まない最大の要因は、電線を地中深くに埋める工費がかさむことだ。国、自治体、電力会社など事業者が費用を分担するが1キロあたり5・3億円もかかるため、コストの圧縮が課題となる。

     東京都は2020年の東京五輪に向けて、23区の都道のかなりの部分の電柱をなくすプランを策定している。市区町村道についても防災重点区域で都の補助金を拡充し、市区町村の作業を後押しする。

     ただ、市区町村道の電柱は都内の電柱の9割超を占めるだけに、より対象を拡大することが必要になる。

     小池知事は国会議員時代も無電柱化推進の中心だった。所信表明で「(無電柱化を)強力に進め、大きなうねりを起こす」と強調し、コストダウンに意欲を示している。

     国土交通省は、交通量の少ない道路であれば、従来より浅く電線を埋める方法も可能とする研究結果を公表している。技術開発で先行した海外の事例も含め、幅広く費用圧縮策を検討すべきだろう。

     無電柱化をめぐっては推進派の自治体首長200人以上が参加した市区町村長の会も結成されている。国が無電柱化を推進する理念などを定めた根拠法の制定を求めており、与党は国会への提出を検討している。

     立法によって、電柱の新設を抑制する方針などを明確にしていくことは望ましい。国と地方が連携して「脱電柱」に力を注ぐ時である。

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