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阿蘇噴火 熊本地震と関係は 今後、活発化それとも沈静化?

 熊本県の阿蘇山の中岳第1火口で8日、36年ぶりの爆発的な噴火が発生した。熊本地震が誘発したとの見方もできるが、否定する見方もある。今後、活発化するか沈静化するかも不明。過去には破滅的な噴火もあり、気が抜けない火山だ。【飯田和樹】

     ●大量の噴出物

     阿蘇山は、国内の活発な活火山の一つで、毎年のように噴火が起きている。

     だが今回の規模は1980年1月26日以来。過去の噴火で観測された噴煙の高さは最高でも3000メートルだったが、1万1000メートルに達した。気象庁の斎藤誠火山課長は記者会見で、激しい噴火だったことを表して「阿蘇山で1万メートルを超えるのは非常に珍しい」と指摘した。

     それを裏付けるように、降灰は四国の愛媛県と香川県でも確認された。熊本大などの調査では、火口から2キロ以上離れた所でも直径6センチ以上の噴石を見つけた。こうした石を分析、火口付近をヘリコプターから観察するなどし、噴出物の総量を51万トンと推定した。宮縁育夫・熊本大准教授(火山地質学)は、近年では比較的大きかった昨年9月の噴火と比較し、「噴出量は1桁違う。その点からも20~30年に1度の規模だ」と説明する。

     産業技術総合研究所と防災科学技術研究所(防災科研)の火山灰の分析では、今回の噴火は3タイプあるうちの「マグマ水蒸気噴火」とみられる。マグマに接触した地下水が水蒸気となって膨張し、マグマと共に噴出したケースで、しばしば大規模な噴火になる。

     ●地下の圧力変化か

     阿蘇山は、今年4月16日の熊本地震の本震で動いたとされる布田川断層帯の東端に位置する。本震と同日にも小規模噴火があり、地震で地下の圧力構造が変わるなどして起きたとの指摘があった。

     防災科研火山研究推進センターは、本震が中岳の西の地下にあるマグマだまりに及ぼした力などを計算。半径1キロの球状で地下6キロにあると仮定すると、わずかに膨張する結果になった。九州大・地震火山観測研究センター長の清水洋教授(地震学、火山物理学)は「マグマだまりの膨張が、阿蘇山の火山活動に影響を及ぼすことはあり得る。ただ、噴火活動にとってプラスマイナスのどちらに作用するかは分からない」と話す。

     一方、気象庁の諮問機関、火山噴火予知連絡会副会長の石原和弘・京都大名誉教授(火山物理学)は「地震前から継続的に活動しており、ガスは毎日大量に放出されている。マグマだまりが膨張しても、すぐに噴火につながるガスがたまるわけではない」と話す。

     ●未知のパターンも

     阿蘇山には、過去の超巨大噴火の痕跡がある。東西18キロ、南北25キロの世界有数の大きさのカルデラ(くぼ地)だ。約9万年前の噴火ででき、火砕流は九州のほぼ全域はおろか、山口県や愛媛県にも到達し、火山灰は北海道でも10センチ積もった。こんな破滅的なことがまた起こるのだろうか。

     今回噴火した中岳第1火口は、噴火活動が沈静化すると湯だまりと呼ばれる火口湖ができる。その後にまた活発化し、マグマが上昇してくると湯だまりが蒸発して消滅し、次の噴火が発生するというサイクルを繰り返してきた。

     しかし、今回は湯だまりが残っている状態で噴火した。噴火後も残っており、表面の最高温度は約90度で噴火前より20度も高い。清水教授は「湯だまりがあるのに火山ガスの大量放出が続いていたなど、通常のサイクルと少し違う面もある。熊本地震の影響も含め、火山活動の推移を注意深く見ていく必要がある」と警鐘を鳴らす。

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