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役所や会社の会議では…

 役所や会社の会議では、重大な議案なのにさしたる論議もなく決まることもあれば、小さな問題でも議論が紛糾することがある。後者が「自転車置き場の議論」と呼ばれるのは、約60年前の風刺本「パーキンソンの法則」のおかげだ▲「役人の数は仕事の量と関係なく増え続ける」のが有名なパーキンソンの法則だが、この本ではそれとは別に「議題の審議に要する時間は、その議題についての支出の額に反比例する」という経験則も取り上げている。つまり重大なことほど議論されないというのだ▲経費が巨額で問題も複雑な巨大プロジェクトは理解している人が少なく、担当者も詳しい説明はムダと思って議論されない。一方で支出がわずかな自転車置き場作りは誰もが問題点を考えつき論議が尽きないという次第だ▲さて6000億円の巨費を投じた東京・豊洲新市場の消えた盛り土が場の空気で自然に決まったといわれれば、かの風刺本の見立て通りでないか。さすがに都は再調査で会議での意思決定の過程を明らかにし、かかわった8人の幹部を特定して責任を追及するという▲一度決まった全面盛り土の方針をなし崩し的に覆しながら、都知事や都議会への報告を怠ったのは説明がムダだと考えたからか。同様の構図は、結局は大幅な節減が迫られることになった2020年五輪・パラリンピック会場の野放図(のほうず)な経費膨張についてもいえよう▲先の風刺本で「関心喪失点」というのは普通の人があまりに巨額、あるいはあまりに少額ゆえに議論をしようという関心を失う金額の上限下限をいう。それに乗じた怠慢や策動を封じたい都政刷新である。

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